ぜんぶ君のせいだ。、寄り添うことで発揮される7人の個性 『Q.E.D. bi』に刻まれた葛藤と成長を語り尽くす

ぜん君。寄り添うことで発揮される個性 

7人それぞれの想いを乗せて“完成”した「唯君論.」

ーーそして、どうしてもお聞きしたかったのが「唯君論.」なんですけど、いろいろな変遷を辿ってきたこの曲に新たにピリオドがついたことで、『Q.E.D.』を象徴する曲になっていると感じました。

如月:もう完成形ですね。脱退が続いたことで、患いさん(ぜんぶ君のせいだ。ファンの総称)には少なからず不安要素を与えていたと思うんですけど、これでもう本当に最後。これ以上誰かが辞めたら終わりだっていう気持ちで『mono』も『bi』も出しているので、一番の自己紹介曲である「唯君論.」も今回でピリオドだろうなって。

ーーなるほど。〈望んだのは物語に 甘い空青のハチミツ/転んでても花が咲くぞ 天然モノの空想〉という十五時さんパートは以前と同じですが、改めて歌詞を見るとどうですか。

征之丞十五時

十五時:しばらく歌っていなかったけど、今はそんなに天然じゃないかなって(笑)。

如月:天然かどうかわからないけど、宇宙は広がってるよ。

メイ:おやちゃんは自分が思っているよりも普通ではない(笑)。

如月:うん、よく生きてきたよなと思う。

十五時:もおー、めぐちゃん!

如月:十五時って、誰かが言っていたことの最初だけを切り取って、自分の解釈を付け足して話すんですよ。だから会話が噛み合わない(笑)。

全員:ははははは。

如月:最近は「この言葉を足してあげれば、十五時もきっとわかってくれるだろう」という作業になってきたので。

メイ:みんなで宇宙に行った十五時を、空に引き戻す感じです(笑)。

十五時:......ありがたいですね。みんながいるから、宇宙色じゃなくて空青色でいられるんだな(笑)。

如月:でも十五時との関係で言うと、自己紹介を最初に自分が歌ってから、最後に十五時が歌うというのはずっと変わっていないんです。「唯君論.」が年月を経てこうしてピリオドを打たれた時に、“めぐおやつ”で前後が挟まれていることに鳥肌が立ったんですよ。「GESSHI類氏、こうなること予想していた?」みたいな。

ーー気づいたら、苦楽を共にした如月さんから十五時さんへと、バトンを渡すような構成になっていたと。

如月:そうそう。いろんなことを経て、逆にこの曲が私たちに寄ってきたんですよね。

十五時:たまたま最後のところが空いていたから、何の気なしに歌うようになっただけだったのにね。

もとちか襲
メイユイメイ
雫ふふ
如月愛海
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もとちか襲
メイユイメイ
雫ふふ
如月愛海
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ーーさっき十五時さんの低い声の活かし方にも言及されていましたけど、如月さんの中では十五時さんの声が鍵になっている感覚なんでしょうか。

如月:みんなが個性を強く出していったとしても、十五時がいつもみたいに小宇宙を広げて歌ってくれるので(笑)、なんとか曲が締まるだろうっていう謎の安心感はあります。あと、私の声質的に十五時と合わせやすいから、今まで一緒に歌うことも多かったんですけど、今回は一緒に歌うことがあまりなくなりました。十五時自身も誰かに寄り添えるようになってきているし、私もいろんなパートで歌うようになったから、そういうお互いの変化が積み重なって、個々で任される部分が多くなってきたからかもしれないですね。

十五時:それは、めぐちゃんが教えてくれたことだと思う。めぐちゃんが十五時に寄り添って歌ってくれたから、十五時もみんなに寄り添おうっていう意識になれた気がする。

如月:うわっ.......! ちょっと恥ずかしいです(笑)。でも、去年ほどメンバーが一気に抜けたことはなかったから、十五時と一緒にそれを乗り越えたのは大きかった。

ーーそうですよね。〈笑った刻 それが名前 相反 横にちにかみ/修羅 destiny 余裕で喰らう 灰に染める狂心臓〉は、ふふさんパートですね。歌詞ができてみて、どうでしたか。

ふふ:今までもライブでは歌っていたんですけど、やっと世に出るCDで音源化することができて、歌詞カードに載るのが嬉しいです。ライブで聞き取れたとしても、〈狂心臓〉っていう漢字まではわからないじゃないですか。

メイ:ふふって自分のソロパートになると、「よっしゃー!」って最前に行くよね。私たちがバックダンサーになる感じ(笑)。

ふふ:うん。最近になって、自分のソロパートでステージを端から端まで駆け回ることができるようになったんですよ。最初は真ん中で踊ることしかできなかったんですけど、確かに自信がついて成長できた気がします。

个喆

ーーそして、〈くるん・ポジティブ 語尾は伸びる “好き”が正義だ「生きてて」/狙い撃つよ♡ゆび愛増 个の身捧げた初恋〉はすごく个喆さんらしいですよね。

个喆:个喆のことすぎて恥ずかしいくらいの気持ちです(笑)。病みかわいい要素は全然ないけど、〈“好き”が正義だ「生きてて」〉って素敵な言葉だなと思うので、そうありたいです。語尾は伸びてるのかな?

如月:こてちゃんは、漫画でずっと頭にお花が咲いてる感じかな。「あら~」とか「わ~」とか言うから(笑)。

个喆:そういうことか〜。じゃあやっぱりこれは个喆の自己紹介です!

ーー(笑)。ゆくえしれずつれづれ時代にもこういうタイプの曲があったので、やはり个喆さんといえば“ポジティブ”なのかなと。

个喆:「生きてて」「好きだよ」ってちゃんと言えるのが、自分の唯一の強みです。みんな、生きててくだちゃいっ!

ーー次の〈願ったのは同じ舞台...極彩色に蝶が舞う/ポテンシャルと胃は無限大 クールなくせに3歳〉は襲さんですよね。

襲:もらったときから〈極彩色に蝶が舞う〉っていうところがめっちゃ好きでした。ただ綺麗なだけじゃなくて、ぜん君。らしい複雑な感情も背負って蝶になっているのかなと思います。その前の〈願ったのは同じ舞台〉っていうのは、「愛海ちゃんと同じ舞台」っていうことなんですよ。ライブ中はステージの右端にいるんですけど、私はこのパートを歌い出してから左端まで一気に行って、〈極彩色に蝶が舞う〉の時できるだけ愛海ちゃんの近くで歌ってるんです。

如月:えぇー!? 全然知らなかった(笑)。

襲:自分の気持ちが歌詞にリンクしているので、こだわりポイントですね。

ーー〈ふわって見える奥底には 努力と愛の聖杯/子供心背負い走る 転けて笑えば花道〉には、とても明快な言葉で喑さんのことが書かれています。

甘福氐喑

喑:ふふとか襲とかメイメイとか、難しい言葉を使っている歌詞が多いのに、ねちのパートだけ誰が見てもわかる歌詞で(笑)。それは、ねちが単純で素直だから。みんなもねちの顔を見ただけで、どんな感情なのかすぐわかると思うんで。

如月:喑は〈転けて笑えば花道〉で、十五時は〈転んでても花が咲くぞ〉じゃん。私が思ったのは、転けて笑った喑が“花”なんだと思う。「あひゃひゃ」ってめっちゃ笑うでしょ。十五時の場合は小宇宙を持ってるから、転んだ先にもちゃんと花があるんだと思う。近いけど意味が全然違うし、きっと花の種類も違うだろうなって。

喑:絶対違うね~。すごいわ、GESSHI類氏。

ーー逆にメイさんのパートは、〈違った瞳 heterochromia “四足獣めす” 背負いRoarる/翼十四バイブルブチる 想えば最後の楽園〉と、一番強烈な単語が並んでおりますが。

メイ:はい(笑)。オッドアイのことや、つれづれをちゃんと背負っていることを書いてくれています。天使の翼が14枚になっているのは、メイがよつさん(一十三 四)のことをリスペクトしていたからだっていう話をGESSHI類さんから聞きました。あとは、本当にぜん君。が最後のステージだぞって思っているので、そのことも書いてあったり。

如月:メイの歴史が詰まってるよね。〈瞳〉と〈四〉が両方入っているのもすごいところ。

ーー改めてGESSHI類さんは皆さんのことをよく見ているんですね。そしてアルバムの最後に「独唱無題」「無題合唱」が入る流れに、これまで歌ってきたものをちゃんと背負っていく覚悟を感じました。

如月:今回レコーディングで、私はあえて「無題」の2曲は脱退した人の声を聴きながら歌っているんです。それで当時のメンバーは本当にいないんだなと実感しました。以前だったらそんなことしたら爆泣きしていたと思うけど、今回はこれまでのことにちゃんと終止符を打って、この先につなげていきたい気持ちでしたし、「この7人でやってるから、以前メンバーだったみんなもよかったら応援してください」くらいの気持ちで歌いましたね。私たちがずっと掲げている、“僕と君がいないと成り立たない世界”の最終局面として、もう一度「無題」に想いを込められたかなと思います。これから先も歌っていて悲しくなったり、苦しくなったりすると思うんですけど、今回はとても穏やかでした。

メイ:〈この指止まれ〉が歴代で1番優しかったよ。

如月:「離さないで!」というよりは、「離さないで......」という感じでしたね。繰り返しになるけど、私は離していないので、みんなも離さないでほしいという気持ちです。「7人でいくぞー! これがうちらのカルトなんだ」って「Cult Scream」で叫んだ後に、「無題」でぜん君。が大事にしていることはずっと変わらないよって伝えられてると思います。

サイン入りチェキプレゼント

ぜんぶ君のせいだ。のサイン入りチェキを3名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

応募方法

リアルサウンド公式Twitter公式Instagramをフォロー&本記事ツイートをRTしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。当選者の方には、リアルサウンドTwitterアカウント、もしくはInstagramアカウントよりDMをお送りさせていただきます。
※チェキはランダムでの発送となりますので、メンバーの指定は受け付けておりません。

※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。

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<締切:6月23日(水)>

■リリース情報
ぜんぶ君のせいだ。『Q.E.D. bi』
2021年6月2日(水)リリース ¥1,100(税込)
<収録曲>
M1:Cult Scream
M2:ShitEndプラシーボ
M3:Teardust
M4:君想ゐ花散りぬ
M5:Folia Therapy
M6:ROMANTICSM
M7:唯君論.
M8:ゔぁいらるらびりんす
M9:わがまま新生Hominina
M10:ルーザーごすぺる
M11:歩兵ディストピア
M12:みすふぃっとらゔぁーず
M13:あおはる
M14:独唱無題
M15:無題合唱

ぜんぶ君のせいだ。公式HP

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