BiSH アユニ・D、PEDROを転機に変化した“音楽との向き合い方” メンバー分析第6回

PEDROから感じるアユニの“ポテンシャル”

 彼女にとって、もう一つ大きな転機だったのはBiSHの活動と並行して、自身のソロバンドプロジェクト・PEDROがスタートしたことだった。ボーカル兼ベースのアユニ、ギターの田渕ひさ子、ドラムの毛利匠太による3ピースバンドは、2018年9月に結成。今年2月には、初の日本武道館公演を実現するほど多くのファンを魅了している。

 彼女が加入してからのBiSHの楽曲をたどると、PEDROのスタートを境にしてその歌声が鋭く変化したことにも気が付く。

 その背景にあったのはおそらく、田淵と毛利との出会いによる音楽との向き合い方の変化。そして、彼女自身のポテンシャルだったのだろう。実際、PEDRO自体の楽曲についても、1stミニアルバム『zoozoosea』(2018年9月)から2ndアルバム『浪漫』(2020年8月)までの約2年間を振り返ると、十分に伝わってくるはず。

 ライブでは、会場の盛り上がりが絶頂に向かう激しいメロディの「GALILEO」で攻撃的な表情を。しっとりとしたメロディが印象に残る「生活革命」では、そっと語りかけるような表情を見せたりと、表現力の豊かさには驚かされる。

PEDRO / 生活革命 [GO TO BED TOUR IN YOUR HOUSE] @ STUDIO COAST

 ただ、アユニには畏怖をおぼえてしまう。それは、彼女から今後さらに進化していくことを期待させる何かを感じるからだろう。まだ見ぬポテンシャルが、いつ発揮されるのか。これからのステージも、楽しみで仕方がない。

PEDRO / 無問題 [日本武道館単独公演 ”生活と記憶”]

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■カネコシュウヘイ
編集者/ライター/デザイナー。アイドルをはじめ、エンタメ分野での取材や原稿執筆を中心に活動。ライブなどの現場が好きで、月に約数万円はアイドルへ主に費やしている。単著に『BABYMETAL 追っかけ日記』。執筆媒体はWeb『ダ・ヴィンチニュース』『クランクイン!』『ウレぴあ総研』、雑誌『日経エンタテインメント!』など。

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