BiSH リンリン、芯の強さを秘めた“無口担当” メンバー分析第5回
憧れの人・新垣里沙と対面して涙
ダイブがしたいと、BiSHのオーディションへ飛び込んだリンリン。一方で、彼女は幼少期からアイドルへの憧れがあった。
かねてより、リンリンはハロー!プロジェクトへの愛を語り続けている。なかでも、憧れているのは元・モーニング娘。の新垣里沙。グループのメンバーそれぞれが“会いたい人に会いに行く”をコンセプトにしたMV「JAM」(2018年2月アップ)では、新垣本人と対面している。開口一番「BiSHのリンリンです」と挨拶を交わした直後、涙を流しながら「大好きです」と新垣への想いをじかに伝える場面には、心を揺さぶられる。
そして、もう一つ。彼女を知るために欠かせない楽曲がリンリン作詞の「beautifulさ」である。歌い出しから<消えたい 死にたい朝に お前 近寄んなと>と、切なくも挑発的なフレーズが印象に残る1曲だ。
基本的に、BiSHの歌詞はメンバーそれぞれが提出したものからコンペ形式で選ばれている。先述の『日経エンタテインメント!』で作詞の方法について「悲しい気持ちになると、愚痴みたいに言葉がすらすらと浮かぶタイプ」と明かしていたリンリン。サビのフレーズ〈とげとげ〉になぞらえた振り付けもライブの定番となっているが、この曲には“今日がダメでも、明日生きればいい”と勇気付けてくれるような力がある。
控えめながらも、誰かに寄り添う強さや優しさがリンリンからは感じられる。無口担当というのは、あくまでも表面的な話。個性派ぞろいのグループで、今日もまた特異な輝きを放っている。
■カネコシュウヘイ
編集者/ライター/デザイナー。アイドルをはじめ、エンタメ分野での取材や原稿執筆を中心に活動。ライブなどの現場が好きで、月に約数万円はアイドルへ主に費やしている。単著に『BABYMETAL 追っかけ日記』。執筆媒体はWeb『ダ・ヴィンチニュース』『クランクイン!』『ウレぴあ総研』、雑誌『日経エンタテインメント!』など。