プロダンスリーグ『D.LEAGUE』ROUND.9レポート 激化する首位争い、“野生的”パフォーマンスで魅了
日本発のダンスプロリーグ『第一生命 D.LEAGUE』のROUND.9が5月6日に行われた。このなかでSEPTENI RAPTURESが「喜び」を表現したショウケースで87点(ジャッジ71点+オーディエンス16点)を獲得し勝利を収めた。
リーグの初年度となる今年は、1月10日から全12ラウンドのレギュラーシーズンがスタート。参加チームはavex ROYALBRATS、KADOKAWA DREAMS、KOSÉ 8ROCKS、CyberAgent Legit、SEGA SAMMY LUX、SEPTENI RAPTURES、FULLCAST RAISERZ、Benefit one MONOLIZ、USEN-NEXT I'moonの9組。ラウンドごとに各チームが8人編成で2分から2分15秒のパフォーマンスを繰り広げる。レギュラーシーズンの上位4チームでチャンピオンシップを行い、セミファイナルを勝ち抜いた2チームがファイナルに進み、チャンピオンが決定する。
直球のナンバーが並ぶ傾向にあった前回の覇者は、オタク文化をリスペクトした学園ネタをKRUMPに落とし込んだFULLCAST RAISERZ。今回はレギュラーシーズンの生き残りを懸け、各チームがどんなナンバーを持ってくるのかに注目が集まっていた。
今回の審査員はレギュラージャッジの坂見誠二(DANCER JUDGE)と黒須洋嗣(ENTERTAINER JUDGE)。そしてラウンド毎に異なるゲストジャッジはMAI(NUMERO UNO)と長谷川達也、Suthoomの3名がDANCER JUDGEを、古坂大魔王とJeff Miyahara、あばれる君がENTERTAINER JUDGEを務める。
先陣を切ったのは総合ランキング2位のavex ROYALBRATS。「亭主関白な夫に尽くす主婦」をテーマに「人に尽くすだけでなく自分も大切にする」というメッセージを女性メンバーが衣装を脱ぎ捨てていく演出と、ラテン調の曲と振り付けで表現した。これが65点(坂見8.5/MAI8.5/長谷川7.5/Suthoom7.5/黒須8.5/古坂8.5/Jeff8/あばれる君8)を獲得。
続いて、ブレイキンのバトル文化と巧みなスキルを全面に出したKOSÉ 8ROCKSは64.5点となる。10点中6点という厳しい採点を付けたSuthoomは「内容はすごい。リズムとグルーブ、フットワークが揃ったところを見たかった」とコメントした。
そして前回ジャッジポイントでは同率1位であり、首位争いの常連である3番手・SEPTENI RAPTURESの勢いは健在だった。変幻自在の彼らだが、今回は「喜び」をコンセプトにしたトライバルで野生的なショウケースをぶつける。これで71点(坂見9.5/MAI8/長谷川9/Suthoom9/黒須9/古坂9.5/Jeff8.5/あばれる君8.5)をもぎ取り、一気にトップへ。
MAIは「見せたいこととやりたいことがクリアで伝わりやすい。よく作られているし表現できている。引き算があっても面白いが、小さくコントロールする部分のメリハリも良かった」と評価。古坂は「前の3人の女性が来た瞬間にファンになるな、と。自分の体を知っている。日本人が体が大きい人の真似をしても弱いので。あとは応援したいと思える要素があった」と語る。
この高得点に後続が挑んだ。USEN-NEXT I'moonは前回までと一転して黒の衣装で舞うクールな作品で64.5点、KADOKAWA DREAMSはこれまでの持ち曲を全てミックスし「美学」を表現して66点。ロックダンスだけに焦点を絞って構築したCyberAgent Legitは64.5点。
さらに童話『赤い靴』と自分たちを重ね合わせ物語を2分に凝縮したBenefit one MONOLIZは62点、珍しくスローな楽曲に合わせて男の色気を出したSEGA SAMMY LUXは68点。