SUPER★DRAGON 古川毅、影響を受けた2010年代以降の洋楽を語りまくる 表現のインプットとなった3組

スパドラ古川毅『カタリタガリ』第4回

■The Weeknd

 例えば同じアジア人としてK-POPの世界的なヒットの動向を追っていると、NCT Uが90年代のニュージャックスウィングを高い解像度で再現しながら、そこに思いっきり現代的な音楽性をぶち込んだ「90’s Love」をリリースしたり、BTSが70年代~80年代のディスコに今のフィルターを通した「Dynamite」が大ヒットしたり、2020年はある時代を切り取った明快なリバイバルの波がおもしろかった。なかでも興味深かったのがTWICEの「I CAN’T STOP ME」です。80年代ライクなシンセを前面に打ち出した、いわゆる“シンセウェーブ”の文脈上にある曲。ムーブメント自体は00年代からあって、僕は10年代の後半に入ったあたりから注目していたんですけど、いよいよ世界的なブームになってきました。日本だとNulbarichの最新アルバム『NEW GRAVITY』も、シンセウェーブの要素をオリジナルなサウンドに昇華していて、さすがですよね。では、そういった一連の流れのきっかけになった作品は何かと考えると、The Weekndが2019年11月にリリースしたシングル「Blinding Light」と、翌年の3月にリリースしたアルバム『After Hours』だと思います。

 The Weekndは“オルタナティブR&B”と呼ばれるように、エレクトロニカ、ダブステップやドラムンベース、トラップなど、さまざまな音楽性を前衛的なミクスチャー感覚とともに採り入れながら、2016年のアルバム『Starboy』で世界的なポップスターになったアーティスト。そこからフルアルバムとしては約3年4カ月ぶりにリリースした『After Hours』もまた、挑戦的な姿勢を押し進めながら全米チャートで1位に。攻めの姿勢があるからこそシンセウェーブというムーブメントにも火をつける結果になった。その路線で僕がとりわけ好きな曲は「In Your Eyes」です。SUPER★DRAGONの年上チームで結成したFIRE DRAGONというユニットこういう曲をやってみたいですね。

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