ジャニーズWEST 藤井流星、『映画 賭ケグルイ』で新境地へ ライブ演出やボーカル面でも見せる著しい成長ぶり

ボーカリストとしての成長ぶりも

 そして筆者がここ2~3年、最も注目したのがボーカリストとしての藤井の著しい成長ぶりだ。藤井の長所であるしっかりした音程とリズム感の良さ、聴き取りやすい発声を生かした歌い方に変化しているように思う。7作目となるニューアルバム『rainboW』に収録されているソロ曲「FLOWER OF ROMANCE」ではセクシーなボーカルと難しいラップに挑戦しているが、演出家としてのスタンスで音楽に向き合う経験を積んだことも、ボーカリストとしての成長に繋がっているのではないだろうか。音楽雑誌『MG』NO.4でも「音楽を本気で好きになったのはここ2、3年。ライブや自分たちの楽曲がグレードアップしていくことでより好きになった」とも語っている。

 デビュー直後に多く見られた賑やかでキャッチーな楽曲に加え、「証拠」「週刊うまくいく曜日」などのメッセージソングも歌えるアーティストに成長してきたジャニーズWEST。デビュー7周年を迎え、個人の得意分野を生かしてドラマや舞台、バラエティ番組などで活躍の場を増やしている。

 ジャニーズWESTの強みは突き抜けた面白さに加え、心に響く歌を届けることができるメンバーのパーソナルな魅力にあるように思う。4月27日発売の『週刊朝日』で「シングル曲で、ダンスなしで歌だけで勝負できるようになったのも強みだと思います」と濵田崇裕が語っていることからも、グループは大きなターニングポイントを迎えているのではないだろうか。メンバー同士がお互いにリスペクトし、築き上げてきた現在のスタイルから発信される音楽は、現代社会で頑張る全ての人々の気持ちに寄り添い、背中をそっと押してくれる存在になることだろう。藤井の新境地への挑戦と共に、アーティストとして進化するジャニーズWESTの活躍にも期待したい。

■北村由起
ライター・エディター。出版社勤務、情報誌編集長を経てフリーに。情報誌、webマガジン、ムック等を中心に執筆。ジャニーズウオッチャー。@yukkisetouchi

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