『最強つぼみDX』インタビュー

2021.04.10 12:00

つぼみ大革命『最強つぼみDX』　3時のヒロイン福田麻貴、コレサワ、zoppコメントとともにメンバーが紐解く

文・取材＝井上明日香、写真＝はぎひさこ

作詞家・zoppの“言葉の魔法”がかかったスルメ曲

ーー続いて、「走り出せ希望」を提供されたzoppさんからです。「走り出せ希望」を聴いた感想では「ボケや笑いに走らなかったんだな、と少し残念な気持ちにも襲われて、心の中がぐちゃぐちゃになりました（笑）」とありますが……。

つぼみ大革命に改名後初のシングル「走り出せ希望」MV（short ver.）

恵梨華：いやいや！　zoppさんにいただいた素晴らしい歌詞ですよ？　さすがにボケられないですよ！　そこまで空気が読めない集団ではないです（笑）。

岡本：こう見えて真面目なんですよ、私たち（笑）。zoppさんに楽曲提供していただけるなんて夢みたいなことですから、もう嬉しくて。面白さよりも、熱い気持ちが勝ってしまいました。

ーー歌詞を最初に見た時、どのような印象を持ちましたか？

恵梨華：私たちの熱い気持ちが、zoppさんの魔法で素敵なフレーズに変換されてるなって感動しました。〈逆境よ万歳御礼〉とか、自分で作詞してたらまず出てこないフレーズですもん。

岡本：〈夜の帳〉とかね、絶対浮かばない。〈契り〉とか、契ったことないし！　まずどういう意味やろ？　って調べましたもん（笑）。

杉山：私はこの曲、正直言って最初に聴いた時はそんなにピンとこなかったんです。不思議な曲調で、掴み所がないなぁ、これ、つぼみっぽいんかな？　って思って。でも、聴けば聴くほど私たちの気持ちと歌詞がリンクしてることが分かって、印象が変わりました。

岡本：以前コント中に使った映像で、私たちが苦労している様子にこの曲をBGMで流すというのをやったんですが、私はそれを見た時に「めっちゃつぼみの曲やん！」って思いました。

恵梨華：ファンの方にも「スルメ曲」って言われるよな。一見クールでつぼみっぽくないんやけど、よく聴くとつぼみらしさもちゃんとある。

岡本：聴けば聴くほどメッセージが伝わってくるし、歌えば歌うほど私たちも気持ちが入ります。たぶん、歌い方がポイントなんでしょうね。ラップっぽいリズムで、叫ぶように歌うから気持ちが乗るのかなと。同じ歌詞でも流れるようなメロディの曲だったら、もっと引っ掛かりのない曲になっていた気がします。

杉山：私、いまだに「走り出せ希望」のインストゥルメンタルをたまに聴くんです。曲だけ聴いて、そのあと歌詞が入ったものを聴くと、印象が全然変わってびっくりします。ファンの皆さんも、ぜひこの聴き方で聴き直してみてほしい！

恵梨華：楽曲をいただいた時、zoppさんに「つぼみには歌詞をぎゅうぎゅうに詰め込んだ曲が多いけど、この曲は歌詞を少なくした」って言われたんです。ストレートな歌詞じゃないからこそ、逆に気持ちが伝わるんだと言われて、そういう伝え方もあるんだなぁと知りました。

コレサワに学ぶコンプレックスとの付き合い方

ーー最後に、「ぷにゅ」を提供されたコレサワさんから。「ぷにゅ」を聴いた感想について「めっっっちゃいいやーーーーーん！！！ってその場で声に出して言いました！笑」とコメントされています。

つぼみ大革命「ぷにゅ」Music Video(Short ver.)

一同：嬉しい〜〜！！！！

杉山：「めっっっちゃいいやーーーーーん！！！」っていう言葉、めっちゃ嬉しいですね。小さい「っ」がたくさん入ってる感じがリアルで（笑）。

恵梨華：「ぷにゅ」は、特に女性ファンからの人気が止まらない曲です。

岡本：最初に、ファンの方のハンドルネームに「大革命」が付いてるって言いましたけど、実は最新は「ぷにゅ」が付いてる方が多いです。

杉山：改名に匹敵するインパクトを与えた曲（笑）。

恵梨華：コメントに「つぼみのみなさんは、自分の個性を愛し、キラキラして見えた」とあるんですが。私たちはまさに「個性って素敵でしょ」っていうコンセプトのグループなので、それがコレサワさんに伝わっていて嬉しいです。

ーーちなみに、皆さんは自分の容姿についてコンプレックスはありますか？

恵梨華：私はこの曲の通り、「ぷにゅ」してることがコンプレックスです。全然痩せないんです（笑）。でもこの曲のおかげで「万人にウケなくても、ぽっちゃり好きな数人が好きって言ってくれたらいいや」と思うようになって。自分に自信が持てました。

岡本：私もコンプレックスはたくさんありますが、ちょうど可愛くなりたいと思って頑張っている最中です。歯並びがコンプレックスやったんですけど、矯正を始めたり。「それも個性だよね」という主張からはズレてしまうかもしれないんですけど……。

杉山：でも、コンプレックスを100パーセント気にしないのは、どんな人でも無理だと思うんですよ。「ぷにゅ」の歌詞の主人公の女の子も、どこか自分を受け入れられなくて、相手の男の子に「こんな私でも認めてよ」ってすがってるような感じもする。だから、コンプレックスを0にするのではなく、コンプレックスとどう付き合っていくかが大事なんだと思います。

岡本：確かに。気にしすぎるのはよくないけど、「もっと理想に近づきたい」って努力するのはいいことですよね。可愛くなろうとする行為そのものがもう可愛いってことに、この曲を通じて気づきました。コレサワさん、ありがとうございます！

ーー「ぷにゅ」を歌うときに意識したことはありますか？

杉山：レコーディング前にコレサワさんの歌っているデモ音源をいただいたので、それに寄せる感じで歌おうっていうのはみんなで相談して決めました。メンバー全員で一人の女の子を演じるような感じで。そのせいか、ファンの方からよく「このパート、誰が歌ってるか分からんかった」って言われるんですが、この曲に関してはそれで正解なのかなと思います。

岡本：あのコレサワさんが歌詞を書いてくださっているので、私たちも自信を持ってぶりっ子して歌えるんです。「見てよ！！　可愛いでしょうが！！！！」みたいな気持ちで（笑）。これもまた、新しいつぼみ大革命を引き出してくれた曲ですね。

ーーー皆さんは普段、自分たちで作詞することも多いんですよね。いつもはどのようなやり方で作っているんですか？

杉山：曲を作るときは、メロディよりもテーマ先行。まず伝えたいテーマを決めて、そこからじゃあどんな曲調が合うか？　歌詞はどうするか？　と考えていきます。歌詞は誰か一人が代表して書くのではなくて、みんなで相談して決めます。昨年はコロナ禍で、初めてZoom会議もしました。

恵梨華：みんな伝えたい気持ちが溢れちゃうので、全体的に文量が多いのが特徴です（笑）。それを上手くまとめてくれるのが、メンバーの水森依音ちゃん。「こういう文章をこのリズムにはめたいんだけど」と相談すると、「この言葉とこの言葉を逆にしたら？」とか提案してくれるんです。

岡本：依音さん一人で作詞している曲もありますしね。で、恵梨華さんは字余りのまま1回歌ってみる。絶対にメロディに合わないって分かってるのに歌うから、毎回「これ何の時間なんやろ？」って思いながら聴いてます（笑）。

恵梨華：全員の意見に対して「めっちゃいいやん！」って思うタイプなので、歌ってみたくなっちゃうんですよ（笑）。

ーーその字余り感が逆に「いい！　採用！」となった経験は…？

杉山：1回もないです！（笑）

ーー（笑）。ところで、皆さんにとって昨年はどんな1年でしたか？　ライブ活動などは制限されてしまったと思いますが……。

杉山：そうですね。配信ライブはやらせていただいたんですが、人数も多いしダンスのフォーメーションも入り組んでいるので、カメラを通して全てを伝えるのはやっぱり難しいなと思いました。私たちの表現力も足りなくて。あとは、やっぱりライブってファンの方が同じ空間におるからこそ、気持ちが上がるんやなって改めて気づきました。早くみんなに会いたいなぁとずっと思っていましたね。

岡本：私はライブができない期間、得意の絵を頑張ろうと思って、ファンの方の似顔絵を描くっていう新しい試みを始めました。その原本がたくさん溜まっていたので、一度配信ライブの客席に置いてライブをしたんです。そしたらファンの方が「俺、いつの間にか現場に行ってたわ」って喜んでくれて、嬉しかったです。

恵梨華：あとはSNSですね。メンバーでYouTubeチャンネルを立ち上げて、おうち時間でできることを配信するようになりました。編集も自分たちでやっているので、今も勉強中です。

杉山：YouTubeは大きいよな。この先、今まで通りにライブができるようになっても、YouTubeとか映像には今後も力を入れていきたいねとみんなで話しています。