秋山黄色『FIZZY POP SYNDROME』全曲解説 YouTube生配信で明かした制作秘話

 秋山黄色の誕生日である3月11日22時より、 2ndアルバム『FIZZY POP SYNDROME』の発売を記念して「FIZZY POP STREAM」と題されたYouTube生配信が行われた。今回はその後3月12日夜に公開されたアーカイブ動画「FIZZY POP STREAM」Director's cut ver.の内容をテキストにまとめてお送りする。

「FIZZY POP STREAM」Director's cut ver.

 「おぉーっし、よろしくおねがいします。はじめまして、YouTuberの秋山黄色です」の第一声で、ゆるりとはじまった本動画。『FIZZY POP SYNDROME』をアルバム曲順に沿って紹介していくという。セルフライナーノーツは書いていたものの(※1)、今回はギターを片手に、生配信ならではの紹介をしてくれた。

M1. 「LIE on」

 最初はアルバムに入れようと思って作っていたわけではなく、Eコードを弾きながら音を鳴らすのは色々なアーティストがやっているが、自分はやっていなかったと思い作ったという。「言っても伝わらないか」、とギターを取り出し「この音ね」とEの音を鳴らす。これも配信ならではだ。ベースにEの音を鳴らしている間に構成音を弾く手法だという。難しい音楽理論ではないので、ギター初心者は弾いてみてはとおすすめしていた。音源では取り入れていないが、ライブではやっているというストロークのリズムも紹介。ちなみに冒頭のテープを入れる音は、秋山自身がビデオをビデオデッキにいれた音だという。

M2. 「サーチライト」:テレビ朝日系土曜ナイトドラマ『先生を消す方程式。』主題歌

 バンドを長年やっていると、変化しないと飽きられると思い、シンセサイザーなどが曲に入ってくることが多いが、ドラマの脚本を読んだ時に感じた本来の衝動を込めてギターを歪ませた曲を出したところ、すんなりOKが出たという。MV監督は水溜りボンドのカンタこと佐藤寛太。撮影の際、「仕事ができるってこういうことなんだ」と感激したという。また、「カノン進行って知ってる?」と実際に弾いてみせ、「実は『LIE on』と一緒なのよ」と、2曲の繋がりを明かした。

M3. 「月と太陽だけ 」

 “死ぬほど昔からある曲”だが、かなり気に入っていたので今回アルバムに入れたという。作曲を始めたばかりの頃の曲で、本来ギターボーカルならギターに手が当たる瞬間に言葉を当てるものなのだが、ライブで演奏しながら歌うことを想定しておらず、手と口のタイミングが合っていないため、実際に弾きながら「これでどうやって歌うか!」とセルフツッコミを入れていた。「ちょーむずいからライブでやりたくない」とこぼすほど。MV撮影は屋上で寒かったが、シネマチックなイメージで作られた良い作品になったという。

M4. 「アイデンティティ」:フジテレビ“ノイタミナ”『約束のネバーランド』Season 2オープニングテーマ

 「俺いつもイントロ作るの、頑張ってる」とのことだが、「アイデンティティ」はオープニングテーマとしての依頼なので、当初は案が5個あったほど、いつも以上にイントロを大事にしたという。歌詞も自然に書いたところ自然にメロディと合っていたそうで、ギターでオルタナすぎず、しかしアニソンとしても聴ける、という石の上に石を重ねるような絶妙なバランスが実現できた、と自信を見せた。

M5. 「Bottoms call」

 「めちゃめちゃ疲れたら電話したらいいよ」というようなことを言っているという本曲。自分の歌詞はめんどくさい表現があったりするから、最終的に変えることも多いが、「Bottoms call」は元の歌詞から「死ぬほど変えた」という。昔SoundCloudなどで公開されていたエヌオシの「声を聴く」のような質感のものを作りたいと思って作ったと語っていたのが印象的だ。

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