『関ジャム』で大特集! indigo la End、ゲス乙女、ジェニーハイ……川谷絵音、各プロジェクトでの縦横無尽な音楽表現
ichikoro
2016年からInstagramやTwitterにギター演奏動画を投稿し、超絶技巧、特徴的なサウンドメイク、構築美に満ちたメロディによって世界中の注目を集めたギタリスト、ichika。彼と川谷の出会いによって生まれたのが、インストバンドのichikoro。歌モノ以外の川谷の楽曲が聴ける、唯一のプロジェクトだ。休日課長、ちゃんMARI、景山奏(Gt)、佐藤栄太郎とともに、フュージョン、ファンク、ロック、現代音楽などを自由に行き来しながら奏でられるギターは、国内外の音楽ファンから高い評価を獲得。3月5日に配信された最新曲「NINJA」は、洗練され尽くしたアレンジとメンバーの卓越した演奏力、美しいギターのメロディが融合した楽曲に仕上がっている。
DADARAY
続いては、川谷がプロデュースするバンド、プロジェクトを紹介したい。まずはDADARAY。メンバーはREIS(Vo/Key)、えつこ(Key/Vo)、休日課長。川谷はメンバーではなく、楽曲制作とプロデュースを担っている。大人の雰囲気を感じさせる上質なポップスを標榜するこのバンドの軸はやはり、川谷の楽曲。女性目線で描いたDADARAYのラブソングは、“川谷の作曲センスがもっとも実感できる”という評価も。えつこはindigo la End、ゲスの極み乙女。などでもコーラス、キーボードを担当し、川谷の音楽活動に欠かせない存在だ。
美的計画
川谷が作る楽曲をいろいろなタイプのボーカリストに歌ってもらうことを目的としたプロジェクト、美的計画は2019年にスタート。第1弾楽曲は、Twitterの弾き語り企画で選ばれた“にしな”の歌唱による「KISSのたびギュッとグッと」。ややハスキーで、繊細さと鋭さを兼ね備えた歌声を活かしたソングライティングは、川谷の作風の広さ、対応力の高さ感じさせる。すでに「文読む私 feat.謎女」「だからラブ feat.相沢&映秀。」が配信されているが、毎回ボーカルが変わることで、楽曲の幅もさらに広がっていきそうだ。
そのほか、詩の朗読やコント、演劇などを披露するソロプロジェクト「独特な人」を主宰、さらにSMAP「愛が止まるまでは」、坂本真綾「ユーランゴブレット」「細やかに蓋をして」、Kizuna AI×花譜「ラブしい」、MISIA「想いはらはらと」を提供するなど、作家・川谷絵音へのオファーも続いている。
バンド、プロジェクトによってまったく違った表現を行う一方、一聴して“川谷絵音らしい”と感じさせる個性も。驚異的な多作ぶりと圧倒的な多様性を兼ね備えたアーティスト・川谷絵音の存在は、『関ジャム』での特集をきっかけに改めて注目を集めることになりそうだ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。
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