IZ*ONE、グループ誕生から現在までの歩み 第1回:『PRODUCE 48』“100日間の戦い”でみえた個性

 番組の前半では低い評価を受けることが多かったAKBグループ所属者のうち、頭角を現したのが、本田仁美と矢吹奈子である。本田仁美は最初のレベル分けテストでは目立たなかったが、踊りのセンスがあると認められてからは才能が開花。矢吹奈子も最初は最下位のチームでスタートしたにも関わらず、前向きに取り組んだおかげで驚くべき成長をとげている。レベルアップしていく2人に合わせるようにファンの数も増えていったのは当然と言えば当然である。

 最終順位でトップを争ったチャン・ウォニョンと宮脇咲良は、間違いなく『PRODUCE 48』の顔であった。チャン・ウォニョンは2004年生まれと若く、それゆえにおじけづくことなく何事にも挑戦してきたことが評価されたとともに、番組の最終回(放送日:2018年8月31日)が自身の誕生日に開催され、そこで1位を獲得するというドラマチックな展開にもスター性を感じさせてくれた。 惜しくも2位になった宮脇咲良はAKBグループの代表格として終始気合の入ったパフォーマンスを披露。辛口のトレーナーも「目から炎が出ている。根性がありそうだ」「さすがAKBグループでセンターをとったことがある女性だ」と高く評価するほどだった。彼女の場合も努力しつつ、アイドルとしての輝きを常に失わなかったことが勝因だったと思う。

 『PRODUCE 48』における“100日間の戦い”で、見事IZ*ONEのメンバーに選ばれた12人。すでに多くの国民プロデューサーを夢中にさせてくれた彼女たちが、次に見せてくれる景色はどのようなものなのか。周囲の関心は早くも2018年10月29日の正式デビューに注がれた。

■まつもとたくお
音楽ライター。ニックネームはK-POP番長。2000年に執筆活動を開始。『ミュージック・マガジン』など専門誌を中心に寄稿。『ジャズ批評』『韓流ぴあ』で連載中。ムック『GIRLS K-POP』(シンコー・ミュージック)を監修。K-POP関連の著書・共著も多数あり。

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