秦 基博、女王蜂……J-POPシーンに新たな刺激を与える作品たち 新譜からピックアップ

崎山蒼志『find fuse in youth』(通常盤)

 過去作をリアレンジした「再定義」シリーズ3曲「Samidare」「Heaven」「Undulation」(アニメ『2.43清陰高校男子バレー部』エンディングテーマ)、映画『夏、至るころ』の主題歌として制作された「ただいまと言えば」などを収めたメジャーデビューアルバム。『find fuse in youth』という刺激的なタイトルが冠された本作には、崎山蒼志の代名詞であるアコギの弾き語りによる楽曲はもちろん、自らトラックメイクしたエレクトニカ的な楽曲、アレンジャーとタッグを組み、色彩豊かなサウンドを描き出す楽曲まで、驚くほどに幅広い音楽性が表現されている。叙情性と鋭さを内包したボーカル、生々しい日常と奔放な想像力が混ざり合うソングライティングもさらに向上。この春、高校を卒業し、本格的にミュージシャンとしての人生を歩み始める彼は、(おそらくこちらが想像する以上に)大きな可能性を備えているようだ。

崎山蒼志 01.27 Release Major Debut Album [find fuse in youth] クロスフェード
秋山黄色『アイデンティティ』(通常盤)

 邦ロック、ボカロ系、ダンスミュージックなどを自在に組み合わせながら、ポップミュージックの在り方を刷新し続ける秋山黄色から、1stシングル 『アイデンティティ』が到着。アニメ『約束のネバーランド』シーズン2オープニングテーマに起用された表題曲は、鋭利にして軽やかなギターフレーズを軸にした高揚感溢れるナンバー。過酷な現状に抗いながら、未来を自分で選び取り、自由に生きたいというあまりにも切実な願いを込めた歌詞は、アニメの物語に寄り添いつつ、秋山自身のリアルな感情にもしっかりと結びついている。カップリング「日々よ」はシャープに鳴らされるギター、シンプルに削ぎ落されたバンドサウンド、硬質なメロディが共鳴するオルタナ経由のロックチューン。諦念、虚しさ、希望のない現実をリリカルに綴った歌に震える。

秋山黄色 『アイデンティティ』 Lyric Video (short ver.)

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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