日向坂46が貫く“誰もおいていかない姿勢” 休業やアクシデントを乗り越える本質的なグループ力
2020年12月31日、日向坂46は『第71回NHK紅白歌合戦』で「アザトカワイイ」を歌唱して、「躍進の1年」を笑顔で飾った。そして、2021年1月1日にはさっそく年始の高視聴率番組『芸能人格付けチェック!これぞ真の一流品だ! 2021お正月SP』に小坂菜緒、佐々木美玲、加藤史帆が出演。ダンス問題を見事に正解しながら、最終問題の選択で「映す価値なし」になるという、番組的に美味しい活躍をみせて幸先のいいスタートを切った。
日向坂46が躍進した理由として冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)をはじめとした「バラエティ番組での対応力の高さ」が挙げられることが多いが、筆者が挙げたいのは「誰もおいていかない」姿勢だ。それは、けやき坂46として未来が見えないとしても笑顔で走り続けてきた経験に基づいているのだろう。
2020年8月に公開された日向坂46初のドキュメンタリー映画『3年目のデビュー』では、柔らかくも毅然とした態度でメンバーをまとめている佐々木久美だが、苦楽を共にした柿崎芽実や井口眞緒との別れの場面では人目をはばからず涙を流している。
「決まったことだし、しょうがないとは分かっていても」「送り出されていく瞬間を見ると悲しくなっちゃいましたね」(佐々木久美『Top Yell NEO 2020 AUTUMN』)
濱岸ひよりが2019年6月から約半年間にわたって活動を休止していた時期は、“母親”的存在の佐々木美玲が連絡を取り続けた。濱岸は美玲の存在に救われたという。
「活動していない期間、メンバーと話していなかったら気持ちも離れていたと思うんです。みーぱんさんがずっと連絡を取ってくださったので『戻ろう』と決意できました。みーぱんさんがいなかったら戻っていなかったと思います」(濱岸ひより『Top Yell NEO 2020 AUTUMN』)
そして、2020年12月24日に行われた無観客配信ライブ『ひなくり2020 ~おばけホテルと22人のサンタクロース』では、体調不良のために活動休止中の宮田愛萌が影ナレを担当し、ライブ中には眼科系の病気のため同年9月から療養している松田好花が花ちゃんズとしてサプライズ復帰した。
松田の復帰に花ちゃんズの相方・富田鈴花は涙を見せたが、プライベートでも松田と富田と3人で行動することが多いという渡邉美穂も高校球児のように号泣した。
渡邉は「もう言葉に表せないくらい色々な想いがあって。正直、ずっと心配だったし寂しかったです。だから、ステージに立っている好花を見て色んな感情が湧いてきました」とブログに綴っている。
その渡邉は『ひなくり2020』で、体調を崩した小坂をライブ中に支えていた。前年の『ひなくり2019』で東京ドームライブが発表された時は先輩の高本彩花を支え、シングルのヒット祈願企画が行われるたびにメンバーを励ましてきように、渡邉は仲間への想いを行動で表すことができる存在だ。渡邉はこう語っている。
「おひさまから『この子はヒット祈願のたびに誰かを支えている』と言われました(笑)。自分では気づかなかったけど、そういうタイプなのかなって。10年間バスケ部をやっていたこともあって、仲間と一緒に頑張りたい気持ちが強いのかもしれません」(渡邉美穂『Top Yell NEO 2020 SPRING』)