星野源、「うちで踊ろう(大晦日)」に表れた“価値観のアップデート”の結実 ソロ活動で一貫して歌ってきたテーマ
……というのはいささか短絡的だが、少なくとも当時と今現在はそうだし、「Family Song」や「恋」にしても、多様化の加速する社会の中で一歩一歩着実に価値観をアップデートさせているように見えた。その意味において、歌そのものとしても、取り組みとしても、社会にもたらした効果としても、長年の積み重ねが結実したのが「うちで踊ろう」だったように思う。表面上は自粛期間の退屈を紛らす娯楽だったこの歌は、これで明確に社会との向き合い方の歌になった。
「ありがとう」と叫び大きく腕を広げた最後のシーンで、明滅する無数の照明が一斉に光り輝いたとき、あの企画を真っ直ぐに受け取った人々の思いがステージに形になって現れたような気がした。
2021年がはじまる。世界を襲う未曾有の災禍は未だ収束の気配を見せない。あなたは今年、どんな生活を送り、どんな生き方をするだろうか。
〈変わろう一緒に〉
新しく付け加えられたこの言葉が、胸のうちで響いている。