SUPER★DRAGONが語る、“決意の黒”を掲げて示すチームとしての姿勢 「学びながら言いたいことは言うことで強くなっていく」

SUPER★DRAGONが掲げる決意の黒

何にも染まらない決意の黒

ーー作品の冒頭を飾る「BLACK BOX」は、すごく現代的であり普遍性もあるメッセージが響きました。

毅:今作は5周年という節目を示すとともに、2020年を切り取った作品にもしたかったんです。そのなかで「BLACK BOX」は社会風刺的な意味もあって、自戒も込みで頭の凝り固まった人たちに向けた言葉もあって、今のこの瞬間、この9人だからだからこそ投げられるメッセージになっていると思います。

ーーSUPER★DRAGONが5周年で、Linkin Parkの『Hybrid Theory』が20周年。サウンド的にはオマージュもあるような気がしたんですけど、いかがですか?

毅:仮歌が入った状態で聴かせてもらったときに、僕も思ったんですよね。「めっちゃリンキンやん」って。『Hybrid Theory』や『Meteora』は大好きでよく聴いていましたし、あの頃のロックから20年を経た今の曲っていう感じ、しますよね。そういう音楽が好きな人たちにも響くと嬉しいですね。

ーーロックと言えば、限定ボックスのみに入っている初期の曲のリメイク「BROTHERHOOD(2020 ver.)」もすごくカッコよかった。90年代や00年代のラップメタル/ニューメタルに、10年代以降のトラップの要素も入ってくることで、アンセミックなメロディにまた新しい光が当たっています。

彪馬:原曲を録ったのは結成して間もなくで、僕は中学1年生で、まだ声変わりもしていませんでした。おっしゃったように、サウンドに現代的な要素が入って進化していることもそうなんですけど、同じ歌詞でも全然違って聞こえてきたことが、僕にとっては感慨深かったです。

ーー今と昔で言葉の捉え方がどう変わったのですか?

彪馬:この曲は絆について歌っている曲で、グループとしてキャリアを積んできたことや受験といった経験を経たことで、当時では感じきれなかった、仲間やファンのみなさんへの思いが溢れてくるんです。

ーーセルフタイトル曲「SUPER★DRAGON」は、頭からアクセル全開。まるで全速力でマラソンを駆け抜けるような、タフな曲です。

和哉:この曲は自粛明け初のオンラインライブで披露したんですけど、ファンのみなさんの立場になった時に、「ただいま」と言うだけでない何かがほしかったんです。そこで、セルフタイトルのテンションの高いダンスミュージックで、これから先の未来は俺たちが作っていくんだって、強い気持ちを見せることができたと思います。

彪馬:出だしからミスれないから歌はけっこう難しくて、ライブで披露するときもそうとう覚悟がいるんです。だからこそ気合が入るので、ライブ再開1発目の新曲としてはベストだったと思います。

ーー「SAMURAI」はユーモアのあるエレクトロハウス。これもライブで盛り上がりそうですね。サビ前の謎の空白は特に、お客さんを入れたらどうなるか(笑)。

ジャン:僕と彪馬はその間に、“あれ?”とか“髷(まげ)”って言うんですけど、大喜利を振られた気分。逃げられないし滑れないんですよね。いまはオンラインだからわからないけど、お客さんの前ではやるのはちょっと怖いです(笑)。

ーー「Distance」は、ヒップホップやソウル/R&Bなどをルーツに感じる、レイドバックしたムードの曲で、深みもありつつ作品のいい清涼剤になっています。

洸希:レコーディングでも最初は歌割りが決まってなくて、自由にやらせてもらいながら固めていったんです。だから、意気込んで気持ちを込めて歌うというよりは、メッセージに対して直感的に感じるがまま歌いました。すごく間口の広いポップな曲で、いろんな場面で聴いてもらって笑顔になってもらえるといいですね。

ジャン:今回のEPのなかでは、もっとも明るくてポジティブな感情が出ている曲。アーティストとしてこういう時期にEPを出すにあたって、聴き手に明るい未来を見せることはすごく重要だと思うので、そういう意味で今後も大切な曲になるんじゃないかと思います。

ーーここまで「BLACK BOX」、「SUPER★DRAGON」、「SAMURAI」、「Distance」、「Burning in the night」の5曲、限定BOXのみに収録の「BROTHERHOOD(2020 ver.)」も併せると6曲すべてについて話していただきましたが、それらをまとめあげるタイトル『Burn it Black e.p.』、の“Black”という意味がすごく興味深くなる内容でした。

毅:今作は音楽性もメッセージもさまざま。それに、歌詞やタイトルは聴いていただいたみなさんそれぞれの解釈があると思うので、一括りにできるものではないと思うんですけど、それこそが“Black”なんです。

ーーどういうことですか? ますます興味深いです。

毅:視覚的なことだと、今回はアーティスト写真も黒のジャケットとパンツで統一しているんですけど、そこまで徹底した理由は衣装からSUPER★DRAGONの黒は一味違うということを表現したかったからなんです。そこには、僕らが前衛的であり続ける姿勢を1色で示す意と、今までの5年間でさまざまな音楽性を吸収してきたからこそ、みんなが同じ黒をまとっても、それぞれの持つ色とりどりの個性は消えないという自信があります。

颯:僕たちは去年、いろんなジャンルの音楽に挑戦して、いろんな色を出してきました。そして今年は、その流れをさらに推し進めるEPを作った。すなわち、現状に満足することなく前を見て、“なりたいと思ったどんな色にでもなれるグループを目指すという、何にも染まらない決意の黒”です。

ーー音楽だけでなく、さまざまな色の価値観、多様性を理解しようとする人々の流れが進む一方で、差別や偏見、あるまじき他人への断罪など根深い問題も多く残っている時代を生きるアーティストとしての立ち位置については、どう考えていますか?

毅:「Distance」のように、心のバランスを取るために少し肩の力を抜くこともあるけど、違うことは違うと、はっきり言っていく姿勢が大切だって、ちょうどみんなで話していたんです。この春から、メンバー全員が高校生以上になったし、自我もどんどん芽生えてくる。そこで僕らは身内同士でも外に向けても、学びながら言いたいことは言うことで、強くなっていくチームであること。『Burn It Black e.p.』は、その名刺を渡すような気持ちですね。そして、コロナ禍で、みんなが内側を向きつつ外の情報には敏感な時期だと思うので、多様なメッセージを作品に集約することで、自分たちは血の通った人間だということを、引き続き示していきたいと思います。

玲於:去年は30曲以上出しましたけど、今年はいろいろと動きが止まったことで、考える時間が増えたので、これまでに出した曲に対する理解を、あらためて丁寧に深めることができましたし、未来に向けて提示していくことも、メンバー間でじっくり話し合うことができたので、来年はまたさらに進化したSUPER★DRAGONを見せられると思います。まずは1月のワンマンライブを楽しみにしていてください。

玲於
ジャン
壮吾
洸希
彪馬
和哉
previous arrow
next arrow
 
玲於
毅
ジャン
颯
壮吾
洸希
彪馬
和哉
楽
previous arrow
next arrow

■リリース情報
『Burn It Black e.p.』
発売:2020年12月23日(水)
【Limited Box】
定価:¥5,500(税別)
仕様:CD&Blu-ray / ワンピースBOX /
Special ZINE 「xSD」(60P)
CD
01. BLACK BOX
02. SUPER★DRAGON
03. SAMURAI
04. Distance
05. Burning in the nights
06. BROTHERHOOD (2020ver.) ※Limited Box限定収録
Blu-ray
ー 廃工場LIVE「SECRET BASE」Live Music Video
01. Strike Up The Band
02. hide-and-seek
03. ゲットレジャーニー
04. BLOODY LOVE
05. My Playlist
06. Set It Off
07. Remedy For Love
08. SAMURAI
09. SUPER★DRAGON
10. BADASS
11. The Survivor
12. BROTHERHOOD

通常盤
定価:¥2,000(税別)
仕様:CD / ジュエルケース / Booklet(16P)
封入:トレーディングカード(1枚入 / 全10種ランダム)
CD
01. BLACK BOX
02. SUPER★DRAGON
03. SAMURAI
04. Distance
05. Burning in the nights

■ライブ情報
『SUPER★DRAGON ONEMAN LIVE 2021Jan.』
【日程】
2021年1月23日(土)
1部 開場17:00/開演18:00
2021年1月24日(日)
2部 開場13:00/開演14:00
3部 開場17:00/開演18:00
【会場】
LINE CUBE SHIBUYA

オフィシャルサイト

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる