櫻坂46、大森靖子……個性溢れる女性アーティストが打ち出したメッセージ 新譜5作からピックアップ

 “欅坂46”改め“櫻坂46”の1stシングル『Nobody’s fault』、12月14日に初の日本武道館ライブを開催する眉村ちあきのニューアルバム『日本元気女歌手』などを紹介。個性溢れる女性アーティストが新作で打ち出したメッセージとは?!

『Nobody’s fault』(通常盤)
櫻坂46『Nobody’s fault』(通常盤)

 10月12日・13日に開催された『欅坂46 THE LAST LIVE』で、約5年の活動の幕を閉じた欅坂46が、櫻坂46として再スタート。1stシングル『Nobody’s fault』の表題曲は、情熱的なラテンのフレイバーが渦巻く、濃密なエモーションが込められた楽曲だ。躍動感のあるリズム、力強いホーンセクションを軸にしたサウンドとともに放たれる〈他人(ひと)のせいにするな〉〈言い訳ばっかでうんざり〉といったメッセージ。それはリスナーに対する鼓舞でもあり、新たなスタートを切った自分たちに対する叱咤激励でもあるのだろう。全形態共通カップリング曲「なぜ 恋をして来なかったんだろう?」は、軽快なテンポ感に貫かれたトラック、起伏に富んだメロディ、恋愛の楽しさに初めて気づいた女の子の感情を綴った歌詞が絡み合うアッパーチューン。

櫻坂46 『Nobody’s fault』

 〈共感こそ些細な感情を無視して殺すから〉と歌うことの決意を綴った「シンガーソングライター -Kintsugi-」、既存の価値観、文化に対するカウンターとしての自らの存在意義を示した「counter culture」、悪意や汚いところを曝け出し、それでも一緒にいようと歌う「KEKKON -Kintsugi-」など、ドキュメンタリー的な生々しさを刻み込んだ楽曲が並ぶ、大森靖子のニューアルバム。タイトル『Kintsugi』の由来は、陶磁器や漆器などの傷を漆でつなぎ、償う修復技術“金継ぎ”。人間の危うさ、残酷さ、可愛らしさ、汚さをリアルに注ぎ込み、ロック、フォーク、EDMなどを横断しながらリスナーの心と体を抉るポップミュージックへと昇華させた本作は、まさに人間の傷に対する美しい修復作業のよう。業に塗れた人間を見つめ続け、関り続ける覚悟の強さに驚かされる。

シンガーソングライター
眉村ちあき『日本元気女歌手』(通常盤)

 2020年12月14日に初の日本武道館公演を行うシンガーソングライター/トラックメイカー・眉村ちあきの3rdアルバム『日本元気女歌手』は、作詞・作曲、アレンジ、歌唱を含めて、彼女のあまりにも豊かな音楽世界をたっぷりと堪能できる作品だ。いきなり「夜の女王アリア 復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」(モーツァルト「魔笛」より)をビックリするほどの完璧さで歌い、ソウルとロックを結合させた「手を取り合うからね」では〈手を取り合うからね 僕ら手を取り合うからね〉とシンガロング必至のフレーズを響かせ、Creepy Nutsとのコラボ曲「ニーゼロニーゼロ」では、異常な状況のなかで日々の生活を送った2020年への思いを綴る。純粋無垢な率直さと高度な音楽技術が結びついた充実作だ。

眉村ちあき「冒険隊 〜森の勇者〜」MV

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