モーニング娘。以降主流になった“人員変動” メンバー加入&卒業システムがアイドルシーンに与えた影響

つんく♂がモー娘。のメンバーを何度も変動させた理由

 モーニング娘。の新加入と卒業・脱退の繰り返しは、当時としては違和感も含めて斬新さがあった。そして現在では多くのグループが、当たり前のようにメンバーチェンジを繰り返している。常時、新メンバーを募集しているグループも少なくない。全国的にアイドルグループがたくさん立ち上がり、さらに昔のようにアイドルを名乗ることへのハードルが低くなったことから(その良し悪しは別として)、「アイドル活動をやってみたい」と興味を持つ女性が増えたことも、新加入増加の要因のひとつになっているのではないか。

 アイドルとしてステージで歌い踊る気持ち良さや、ファンに支持される喜びを味わうと、そこから抜け出せなくなり、結果としてさまざまなグループを転々とするパターンもある。もちろん、自分の存在意義を求めてアイドルシーンを渡り歩く者もいる。そういったアイドル経験者はすでに一定数のファンを抱えていることから、即戦力として「自分のグループに入らないか」とスカウトする運営も多数存在する。こういったことも入れ替わりの頻繁化につながっている。

 モーニング娘。の生みの親・つんく♂は、筆者がおこなったリアルサウンドでのインタビューで、「メンバーは固定した方が良いか、それともどんどん動かすべきか」という質問に対しこのように答えている。

「作品をつくる上では、急な脱退は大変です。多人数でのボーカルユニットであるならば、メンバーの変動はアリですね。でも最近のアイドルグループの状況を見ていると、マネージメントの力量不足で引き止められなかったメンバーの補正のために、新メンバーを募集している感が否めない。「作品づくりのため」という感じがしないんです」

 つんく♂は、問題点を指摘した上で、作品づくりという点においては、メンバーの入れ替えはグループに良い効果を与える可能性があると話した。

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