ベストアルバム『SAYABEST 2010-2020』インタビュー

佐咲紗花、作品に寄り添い続けたデビュー10年の矜持 「私にとって表現することは作品と一緒にいること」

『ガルパン』や堀江晶太……様々な出会いをくれた楽曲たち

「BLAZE MOMENT~紅蓮浄歌~」

ーーDISC2には選りすぐりのゲームソングの数々が収録されています。この選曲に関してはどんな基準で?

佐咲:ファンのみなさんからの人気が高いものをメインにしつつ、それにプラスして私が10年の歴史をまとめる上でどうしても入れたいと思う曲を選ばせてもらいました。

ーー佐咲さんがどうしても入れたかった曲とは?

佐咲:「Shooting the future」と「BLAZE MOMENT~紅蓮浄歌~」です。「Shooting the future」は活動初期の頃に作詞を含めて担当させていただいた曲なので、すごく思い入れが強いんですよね。イメージ挿入歌でもあったので、その世界の中のシチュエーションを思いきり妄想しながら表現することがすごく楽しくて。なので節目のタイミングとして絶対に収録したいなと思いました。

ーー「BLAZE MOMENT~紅蓮浄歌~」にはどんな思いがありますか?

佐咲:この曲を歌わせていただいたことで、佐咲紗花はアタック強めのハードロック寄りの楽曲を歌うとすごくしっくりくるんだなっていうことがわかったんです。私自身、歌った瞬間にすぐ「あ、これ好きなやつだ!」って思えたし、制作陣にも共通認識が生まれたんですよね。松井洋平さんと初めて出会った曲でもあって、そのときに松井さんの作詞家としての考え方や、言葉の構築の仕方にものすごく影響を受けたんです。そういう意味で勉強になった曲でもあります。

「Atlantico Blue」

ーーDISC3にはファン投票で選ばれた楽曲たちが収録されています。投票の結果に関してはどんな印象を受けました?

佐咲:「Atlantico Blue」や「Super Shiny Sensation!!!」といった上位に来た楽曲は予想通りでした。ライブのときの盛り上がりや、みなさんの感想なんかを眺めていると、これはもう私としてもすごく納得な結果だなって思います。意外だったのは……例えば「日常0話エンディングテーマ」が入ったのはおもしろかったです。歌詞のないスキャットだけの曲でライブでも披露した事ないのに…!と。これまでCDに収録されていない曲を音源として確保したい、私の歌ってきた楽曲をコンプリートしたいというファンの方々の思いが影響しているような気もして。すごく愛情を感じましたね。

ーー「Atlantico Blue」をはじめ、DISC1に収録されている「FEEL×ALIVE」や「ヒトツボシ」などを手掛けている堀江晶太さんの楽曲は佐咲さんのレパートリーの中でも高い人気を誇っています。彼の作る楽曲はご自身にとってどんな存在ですか?

佐咲:堀江さんと最初にお仕事をしたのは、「マリンブルーに沿って」「キスのひとつで」というゲームソングだったんですけど、楽曲を聴いた瞬間、理屈とかではなく「この曲すごく好きだな」って強く思ったんです。レコーディングの時のディレクションの感性も独特で、その感性に音楽センスや元々お持ちの才能というものが溢れていて、録りながらすごくクリエイティブなディスカッションやレコーディングができたなぁというワクワクした気持ちがありました。それ以降、いくつか曲を書いていただいていて、どれもライブの人気曲になっていますけど、チーム佐咲の中では「エモい曲のオーダーなら堀江晶太さんだよね」っていう共通認識がある気がします。自分の中でも勝手に堀江さんの曲に私の声と音域の幅はベストマッチングなはずだ!と勝手に思っているところもあるので(笑)、すごく大事な存在ですね。堀江さんにも、相性のいいシンガーだなって思っていただけたらいいなと常に思っています。

「あんこう音頭」

ーーまた、DISC3には「High-Flying Future!!」「あんこう音頭」という『ガールズ&パンツァー』関連の楽曲が2曲収録されています。今年8周年を迎えた『ガルパン』というコンテンツもまた佐咲さんにとって大きな存在なのではないですか?

佐咲:8年もの間、ずっと動き続けているコンテンツにかかわれていることは本当にありがたいですよね。なかなか無いことです。最初は挿入歌である「あんこう音頭」で参加したんですけど、その反響がものすごく大きくて。で、その後もいろんな楽曲で参加させていただきつつ、最終章の前半の主題歌「Grand symphony」まで担当させていただけることになったという。今も現在進行形で動いているコンテンツだから、私の中ではまだすべてが思い出ではないんですよ。さらに言えば、プライベートを含めて大切な存在であるシンガーのChouChoちゃんとの強い絆をくれたのも『ガルパン』ですからね。8年の月日の中で、たくさんのステージや課題を一緒に乗り越えて切磋琢磨しながら一緒に歌ってきました。そんなところにも『ガルパン』らしさを感じたりもします。

10年分の感謝と「大好き」という思いを込めた新曲「ダイアログ」

佐咲紗花| 『ダイアログ』MV Full size

ーーそしてDISC3のラストには新曲「ダイアログ」も収録されています。デビュー10周年を迎えた佐咲さんの思いがたっぷりと詰め込まれていますね。

佐咲:この曲は10年分の感謝と「大好き」と「ありがとう」という思いを伝えたくて作りました。思いをライブでダイレクトに伝えるイメージで作詞をすることは好きなので、歌詞もすごくスムーズに書けました。

ーー作曲とアレンジは園田健太郎さん。サウンド的なイメージも具体的に伝えた上で制作をお願いしたんですか?

佐咲:そうですね。園田さんが手がけられた曲の中で今回のイメージに近いものをお伝えした上で、この曲で伝えたいこと、表現したいことを具体的にお話しさせていただきました。そうしたらシンクロ率に驚いたくらい、チーム佐咲みんなが思わず「これこれ!」と言うくらいイメージ通りのものを仕上げてくださいました。メロディも、私が書きたかった譜割りや言葉数にバシッとハマるものだったので、本当に迷わず書いていけました。

ーーレコーディングはいかがでしたか?

佐咲:他の楽曲の制作が重なって大変な時期ではあったんですけど、この曲のイントロを聴くと、エナジードリンクを飲んだ感じになるというか、ものすごくパワーがわいてくるんですよ。しかも演奏してくれたのが私のライブメンバーでもあったので、いつも以上に安心して音楽に身を任せながら、最初から最後まで気持ちよく歌うことができましたね。

ーータイトルにはどんな思いを込めたんですか?

佐咲:記録という意味での“ログ”という言葉がまず浮かんだんですよね。そこから広げていって、PC用語のダイアログボックスから、直訳だと“対話”という意味になる “ダイアログ”へたどり着き、そこにダブルミーニングとして“Diamond”の“ダイア”も引っかけました。みんなと歩んできた”Diamond”のように輝く日々の記録という意味です。この曲の歌詞にはみんなとの思い出、私の歩みを色濃く投影しているので、長く応援してくださっている方々は、「この1行はあのときのことかな?」みたいに想像を膨らませてもらえたらうれしいです。また、最近私のことを知ってくださった方には、これまでの49曲を聴いた上で、「あぁいろんなことがあったんだね」っていう思いを踏まえて最後に「ダイアログ」を聴いていただけたらなと思います。

ーー10年という節目をお祝いする本作を経て、ここから先の未来について何か思い描いていることはありますか?

佐咲:まずは10周年ライブをどうしたらいいのかという目下の課題があるんですけど、時期が遅くなっても絶対に開催するつもりですが、情勢をみながら一番いい形を模索していきたいです。この先の10年に関して言えば、アニソン、ゲーソンシーンをさらに盛り上げていけるようにとにかく頑張るっていうことかなと思っています。10年前に比べると今はアーティストの数もすごく多いし、アニメやゲームの作品数もすごく増えていて。言ってしまえばバブルのような時代なのかもしれない。その状況を維持して、この広がりをさらに大きくして揺るぎないものにいくか、それともその泡をはじけさせてしまうのかは、今動いている私たちにかかっているような気がするんです。なので、ここからはそういった気持ちを強く抱きながら歌を、活動を、しっかり紡いでいきたいなと思っていますね。

ーーその一歩として来年1月から放送されるアニメ『怪物事変』では、エンディングテーマ「ー標ー」を歌うことも決定していますね。

佐咲:はい!原作が本当に大好きな作品なので、楽曲で参加できることがうれしいです。楽曲も含め、この素晴らしい作品をたくさんの方に楽しんでいただけたらいいなと思っています。

佐咲紗花『SAYABEST 2010-2020』

■リリース情報
佐咲紗花『SAYABEST 2010-2020』
2020年11月11日(水)リリース
¥4,500+税
CD3枚組
店舗特典情報はこちら

■イベント情報
『佐咲紗花|「SAYABEST 2010-2020」発売記念オンラインイベント』
※今後の状況により、配信の延期、中止、内容の変更なども検討させていただく場合がございます。
《イベント概要①》
「SAYABEST 2010-2020」発売記念 トーク&スペシャル編成のミニライブ
2020年12月16日(水)20:00 START予定
配信プラットフォーム:MixBox
イベント参加方法:「SAYABEST 2010-2020」商品内に封入されているイベント参加応募シリアルをご確認の上、ご応募いただいた方の中から抽選でイベントにご招待いたします。当選者の方には、「イベント視聴シリアル」をご送付いたします。

イベント参加応募期間:2020年11月10日(火)~2020年11月30日(月)23:59
イベント当選発表:2020年12月初旬予定
MixBox視聴に関する注意事項

《イベント概要②》
「SAYABEST 2010-2020」発売記念 オンラインサイン会
2020年12月16日(水)22:00~23:30頃 予定
配信プラットフォーム:WithLIVE
イベント参加方法:全国アニメイトで「SAYABEST 2010-2020」をご予約(全額内金)・ご購入いただいたお客様に、イベント参加応募シリアルを配布いたします。ご応募いただいた方の中から抽選でイベントにご招待いたします。当選者の方には「イベント参加シリアル」をご送付いたします。
イベントでは、1対1でオンライントークをしながら、最新アー写使用のジャケットサイズカードに「ニックネーム」と「直筆サイン」を入れさせていただきます。

イベント参加応募期間:2020年10月31日(土)~2020年11月30日(金)23:59
※既に対象商品をご予約いただいているお客様に関しましては、お手数ですがご予約いただいた店舗にて内金を全額お納めいただいた時点でイベント応募用紙をお渡しいたします
※アニメイトオンラインに関してはオンラインページをご確認ください

イベント当選発表:2020年12月初旬予定
イベント特典送付:2021年1月予定
WithLIVEに関する注意事項

《対象商品》
佐咲紗花 10th Anniversary Best Album『SAYABEST 2010-2020』
CD3枚組 LACA-9793 ¥4,500 (税抜価格)+税
2020年11月11日(水)発売

佐咲紗花レーベル公式サイト

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