TOMORROW X TOGETHER、SEVENTEEN、TWICE......チャート席巻するK-POP勢 “新たな洋楽”として定着している傾向に

 2位のSEVENTEEN、こちらはよりアグレッシブで現代的なヒップホップやR&Bを咀嚼した、ダンスミュージック寄りのサウンド。音のレンジの広さ、アイデアの面白さ、刺激を散りばめたサウンドプロダクションも、まさに今一番クールなポップスの形と言えるでしょう。5位のTWICEも然り。一曲目の「I CAN'T STOP ME」、あえてのレトロなシンセ使いに思わずうなりました。

SEVENTEEN (세븐틴) 'HOME;RUN' Official MV
TWICE "I CAN'T STOP ME" M/V

 洋楽離れ、という言い方も最近はあまり聞きませんが、いわゆる欧米のポップミュージックを「洋楽」と呼ぶのなら、そのリスニング層は確かに減少しています。日本レコード協会の調べによると、90年代が邦楽7対洋楽3の割合だったなら、そこから20年で対比は8.5対1.5くらいになりました(参照:日本レコード協会)。

 ただ、K-POPがこれだけ世界を席巻している今、その音像はかつての「洋楽」のポジションに等しいのです。毎週のチャートにK-POPがばんばん入ってくる現在、日本のリスナーはかつてないほど「洋楽」に触れているとも考えられるのではないでしょうか。K-POP育ちの小学生や中学生が、今後どんなミュージシャンになっていくのか。未来がとても楽しみになります。

 それにしてもSEVENTEENのミニアルバム、カッコいい。好みです。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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