NiziU、多様なバックグラウンドの9人がダンスにおいても個性や魅力を発揮 ミッションを経るごとに開花したそれぞれの才能
チームミッションにおいて他の練習生との連携により才能を開花させたメンバーの存在は、ガールズグループの結成を見据えた『Nizi Project』における意義を体現していたように映った。
例えば当初、動きの控えめさをウィークポイントとして指摘されていたMAYAは、MAKO・RIOと共に挑んだ「Swing Baby」(J.Y. Park)において、持ち前の表現力を遊ぶように弾むスウィングビートとともに発揮していた。
またチームバトル「Heartbeat」(2PM)ではエネルギッシュな胸のヒットとシリアスな表情により、歌い出しから視聴者の心を掴んだMAYUKA。複雑な感情表現を要する本楽曲の歌い出しと締め括りを担った彼女について、ダンストレーナー陣は「前日リハーサルの時は(振り付けの)タイミングが曖昧だったので、MAYUKAちゃんにタイミングを合わせるようレッスンした。でも、本番を見たら表情と雰囲気、タイミングまで生かしたパフォーマンスになっていた。カッコイイ!」と絶賛の声を上げていた。(参照)
練習生として長いキャリアを持つ者から、ダンスレッスンの経験がほとんどなかった者まで多様なバックグラウンドを持つメンバーが集うNiziUにおいて、それぞれが着実にダンススキルを身に付けるだけでなく、一つのグループとして混ざり合いながら各自の個性や魅力を発揮するまでに至っている現状は「Make you happy」などのDance Practice映像を見ても確認できることである。
この背景には、『Nizi Project』参加者へのレッスンにあたったJYPダンストレーナー陣による“一人ひとりの特性に合った的確な指導”と、それに対して大きな意欲をもって応えたメンバーたちの姿勢があるように思う。彼女たちのダンストレーナー、チョ・セロムとイ・セラによる『Nizi Project』リアクション動画内で、両氏から投げかけられる“教え子”たち一人ひとりへの愛情にあふれたコメントとそれぞれのエピソードには、トレーナー陣と『Nizi Project』参加者たちがダンスの鍛練をする上で築き上げられたあたたかな信頼関係が表れているように感じた。(参照)
12月の本格デビューではタイトル曲「Step and a step」、そして「Joyful」「Sweet Bomb!」のリリースがアナウンスされているNiziU。デビュー準備段階においてグループとしてのパフォーマンスによりいっそう磨きをかける9人は、各楽曲でどんな“彼女たちらしさ”を表現してくれるだろうか。
■菅原 史稀
編集者、ライター。1990年生まれ。webメディア等で執筆。映画、ポップカルチャーを文化人類学的観点から考察する。Twitter