Van Halen、再生数急増でバイラルチャートにも影響 “ハードロックの市民権獲得”に寄与したギタリストの功績
この訃報によりバイラルトップ50にもVan Halenの楽曲が数多くランクインしている。トップ10を見るだけでも「Eruption」と「Jump」の2曲がランクイン。普段ハードロックを聴かないような方でも、木村拓哉主演のテレビドラマ『MR.BRAIN』(TBS系)の主題歌でもあった「Jump」は耳馴染みがあるのではないだろうか。その他、トップ50までさかのぼってみると計9曲がランクインしており、バイラルトップ50全体の18%がVan Halenによる楽曲となっている。世界に目を向けると「Eruption」の収録されているアルバム『Van Halen』のストリーミング再生回数は、訃報の前後で900%上昇、「Jump」の収録されているアルバム『1984』は360%上昇しているという。バンド全体ではストリーミング配信による売上が660%増加したというから驚きだ(参照:ライブドア ニュース)。
どのような最新のサウンドも先達の作り上げた潮流の下流にある。たとえばエディ・ヴァン・ヘイレンもCream在籍時のエリック・クラプトンに大きな影響を受けていると公言している。音楽はいわば継ぎ足しの秘伝のタレ。まさにいま街でかかっている最新のサウンドも脈略もなく発明的に生み出されたわけではなく、数多のアーティストたちによる過去の試行錯誤の上にあるのだ。アーティストの創作物はDNAのように後世に受け継がれ、否応無しに新たなアーティストに影響を与える。音楽が続く限りDNAの継承を断ち切ることはできない。そして、もちろんエディ・ヴァン・ヘイレンのDNAも例外ではなく、まだ見ぬ音楽のなかで永遠に生き続けるはずだ。
■Z11
1990年生まれ、東京/清澄白河在住の音楽ライター。
一般企業に勤務しながら執筆活動中。音楽だけにとどまらず映画、書籍、アートなどカルチャー全般についてTwitterで発信。ブリの照り焼きを作らせたら右に出る者はいない。
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