KEYTALKならではの“ユーモア”と“カッコよさ” 最新映像技術も駆使した初のオンラインワンマンライブを振り返る

 しかし演奏が始まればロックバンドとして最高のライブを見せてくれる。そこに笑いはない。「バミューダアンドロメダ」ではライブだからこそのバンドの一体感と疾走感ある演奏を行い、幻想的な映像の中で披露された「blue moon light」は音源よりもギターが前面にでたアレンジで視聴者を惹きつけた。配信だとしてもライブでしか聴くことができない演奏を届けてくれた。

 そこから間髪入れずにメジャーデビュー曲「コースター」へ。ライブも終盤。ラストスパートをかけるような激しい演奏だ。「ラスト1曲、みんなで踊りましょう!」と巨匠がこの日唯一のMCをしてから代表曲の「MONSTER DANCE」を演奏。炎や花火が打ちあがる映像演出で盛り上がりは最高潮に。メンバーも他の曲以上にステージを動き回り、笑顔で演奏している。演奏を終えると『KEYTALK ONLINE LIVE』という文字が壁のスクリーンに浮かびあがり、メンバーはやり切ったように笑顔でステージを後にした。

 KEYTALKのライブは観客が手拍子やダンス、声援などで参加することが多い。MCではファンとコミュニケーションを積極的に取っている。しかし今回は無観客でMCもほとんどなかった。その代わり音楽に没頭できる演出によって、バンドの演奏力の高さや楽曲の魅力が再確認できるライブだった。配信だからこそできる新しい挑戦を行ったライブである。

 しかしライブ後のトークコーナーでは、メンバー同士でライブの感想を楽しそうに語り、ファンとZoomを使って和気藹々と会話するメンバーには親近感が湧く。カッコよさと親しみやすさのギャップもKEYTALKの魅力なのだ。KEYTALKの音楽や演奏の魅力と、メンバーの人としての魅力を両方感じることができる配信ライブだった。

■むらたかもめ
オトニッチというファン目線で音楽を深読みし考察する音楽雑記ブログの運営者。出身はピエール瀧と同じ静岡県。移住地はピエール中野と同じ埼玉県。‬ロックとポップスとアイドルをメインに文章を書く人。
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■セットリスト
1. FREEDOM
2. night focus
3. フォーマルハウト
4. PASSION
5. orange and cool sounds
6. サイクル
7. MURASAKI
8. マキシマム ザ シリカ
9. fiction escape
10. トラベリング
11. sympathy
12. a picture book
13. バミューダアンドロメダ
14. blue moon light
15. コースター
16. MONSTER DANCE

KEYTALK オフィシャルサイト

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