BLUE ENCOUNTとKEYTALKが築いてきた信頼関係 お互いの楽曲もカバーした『ANN』を聞いて

 BLUE ENCOUNTとKEYTALKがパーソナリティを務める番組『BLUE ENCOUNTとKEYTALKのオールナイトニッポンGOLD』(ニッポン放送)が、8月23日にオンエアされた。彼らが『オールナイトニッポン』のパーソナリティーを担当するのは今回が初めて。BLUE ENCOUNTからは田邊駿一(Vo/Gt)と江口雄也(Gt)が、KEYTALKからは寺中友将(Vo/Gt)と八木優樹(Dr/Cho)が出演した。

BLUE ENCOUNT『バッドパラドックス』(通常盤)

 今回の放送は“バンドマンの夏休み”がテーマだったこともあり、メンバーは終始リラックスしたような状態で、まるで楽屋の裏でオフトークをするような雰囲気で番組を進行していく。事務所も違えば、レコード会社も違う。デビュー時期も違えば、活動歴も違う。BLUE ENCOUNTは熊本で結成されてキャリアを積んだバンドであり、KEYTALKは寺中こそ熊本出身であるが、基本的には東京の下北沢でキャリアを積んできたバンドである。影響を受けたバンドも違うし、最新曲の方向性もまったく異なる二組であるが、番組での二組のやり取りは絶妙というほかなかった。

 メインで進行していくのはBLUE ENCOUNTの田邉。田邉が他のメンバーに話を振っていくと、他のメンバー(特にKEYTALKの二人)は自由気ままな対応をしてみせ、場合によっては田邉がツッコむという流れで進んでいく。脱線に次ぐ脱線をするため、終始、番組スタッフから「巻き」を要求されていたようだが、それでも構わずに番組は進む。寺中は田邉のフリに対してボケをかますし、八木は自分の野球チームの話をするときも、視聴者からのお便りを読むときも常に甘噛をするし、江口は番組の企画であることをお構いなしに(番組中の企画にあった)パワプロのゲームにガチンコで挑むしで、とにかくマイペースに番組は進んでいった。そして、これはBLUE ENCOUNTとKEYTALKという関係性だからこそできることなのだろうなと、番組を聞いていて改めて感じた。BLUE ENCOUNTとKEYTALKの共通点は少ないものの、活動の中での接点は多い。対バンツアーがあれば、高い確率でお互いのツアーにお互いのバンド名があった。BLUE ENCOUNTが1stフルアルバム『BAND OF DESTINATION』をリリースしたときのツアー『DESTINATION IS "PLACE"』の追加公演では、KEYTALKと6カ所で共にライブを行っている。

 BLUE ENCOUNTのエモーショナルな音楽性に対し、KEYTALKは変調や複雑なリズムパターンを得意とするオルタナティブロックを中心としている。ライブスタンスで言っても、BLUE ENCOUNTはエモーショナルなパフォーマンスが大きなウリとなっているが、KEYTALKはステージ上でもユーモアを大事にしながら、オーディエンスを沸かせるタイプだ。だが、タイプが違うバンドだからこそ、お互いをリスペクトするのだろうし、オフの場面で意気投合することもあるのだろう。そういう側面がラジオ番組の中では随所に感じられた。

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