Ken Yokoyamaが語る、新体制での変化と手応え 「書きたいことの質感が変わってきた」

Ken Yokoyamaが語る、新体制での変化と手応え 「書きたいことの質感が変わってきた」

 Ken Yokoyamaが、初のミニアルバム『Bored? Yeah, Me Too』をレーベル直販(通販のみ)でリリースした。今作は、セルフコンピレーションアルバム『Songs Of The Living Dead』からは1年9カ月ぶり(オリジナル音源としては2015年発売の『Sentimental Trash』以来、5年ぶり)となる作品で、その間、バンドにはドラムEKKUNの加入、昨年10月『PUNKROCKERS BOWL』の出演見合わせという発表があった。

 今回のインタビューでは、今作に至るまでのひとつひとつの経緯を辿りつつ、新体制でのレコーディングとなった今作について、バンドの今のモードについて聞いた。(編集部)

バンドの究極の形だと思った

一一新作に至るまでいろいろ聞きたいことはあって。ちょうど2年前、「Matchanが抜ける、次のドラマーはもう決まっている」という話をしたんですよ。まずは改めて、EKKUN加入の流れからお願いします。

Ken Yokoyama(以下、Ken):これは全員一致で。Matchanから抜けるっていう話を受けたその日に、俺ら3人で集まってドラマー候補を4〜5名挙げて。もうEKKUNは最初にリストアップです。

Jun Gray(以下、Jun):ちょうどEKKUNが前のバンド(Joy Opposites)を抜けるオフィシャルの発表があった直後で、今何もやってないんだなってことはわかってて。

Ken:じゃあ連絡取ってみようと。バンドとして知り合った、3人全員の共通の友達でもあったから。

一一初めて声をかけられた時、どう思いました?

EKKUN:いや、もう……ついに来たな、と。

Ken:ははは! 「ついに俺の時代が来たな」?

EKKUN:ついに俺の時代が来た。頂点に上り詰める時が(笑)。でもそうっすね、前のバンドも残念ながら脱退みたいな感じだったので、これからどうしようってところだったんですよ。そこにKenさんから電話が来て。もう、Ken Bandのオファーを断る奴がどこにいようか、と。

Ken:でも俺ら、物は試しで、4〜5人のドラマーともスタジオ入ってみたの。オーディションとまでは行かないけど、何人かに叩いてもらって。その後に3人でミーティングした時も「EKKUNに頼もう」って意見は一致して。

一一Junさん、リズム隊の目線だとどんなことを感じました?

Jun:まぁ俺はFACTは好きだったけど、音楽のタイプが違うから、スタジオでどうなるのかなっていうのはあったけど。でも最初に合わせてみて「あぁ、こういうのも叩けんだね?」って。だから違和感とか、やりにくいとか、第一印象ではなかったですね。まぁあと、俺は誰とでも合わせられるんで。

一一失礼しました(笑)。

Ken:「キリッ」って感じで(笑)。

一一EKKUNは、こういうツービートも得意なんですか?

EKKUN:得意……のはずで生きてきたんですけど、また種類の違うツービートですね、Ken Bandは。今までFACTの時はクリックなり同期を聴いてライブをやってたんですけど、完全にそれがない生の状態で、その日の人間同士がそのままぶつかり合う。それはバンドの究極の形だなと思いました。

Ken:そこをアジャストさせるのにけっこう時間かかったよね。今年に入って作品に向かっていく中で迷いはなくなっていったけど、過去曲をやると僕らも前のイメージを引きずっちゃって、でもEKKUNにはEKKUNの曲の捉え方があって。そこで意見の相違っていうのはあったかな。去年はだいぶ苦労したと思う。

一一あと昨年夏はKenさんとJunさんが宮本浩次さんのソロにも参加して。けっこう忙しかったですよね。

Ken:忙しかったね。かなり集中力が必要だった。

Jun:うん、去年の春から話をもらってレコーディング、あとライブ練習をやりつつ、Ken Bandの曲も作ってて。大変と言えば大変だった。

一一その後、秋にKenさんの体調不良で公演延期という事態になりました。

Ken:はい。キリッ。

一一そこは「キリッ」じゃない(笑)。言える範囲で、どういう状況だったんでしょう。

Ken:あ、もう全然言える話だけど、また抑うつ状態をやってしまったようで。ツアー中におかしくなっちゃって、これはマズいなと。メンバーとピザに話したら「今決まってるもの、全部ストップしましょう」って言ってくれて。だから、30歳の時に抑うつを一回やってるんだけど、それよりも全然軽度で済んだ。リカバリーも上手く進んで。うん。

Jun:ただ、こっちは心配するよね。最初っから「これ軽いから」って言われてたわけじゃなかったし、全然どうなるかわかんなかった。EKKUNなんか入ったばっかりだったし、一番どうしようって思ったかもしんない。

EKKUN:あぁ。さっきKenさんも言ったけど、俺がKen Bandに馴染む途中の工程で、いろいろ議論もあったんですよ。で、実は俺もけっこう打ちのめされてて。最初の意気込みのわりに、圧倒的な壁みたいなものにブチ当たってたところで。なのでKenさんが参っちゃう気持ちも、生意気ながらも少しわかったんですよね。俺は俺で、余計なこと考えないようにしよう、いつでもKenさん戻ってこれるようにしようって、そういうことに専念してました。

一一Minamiさんはいかがですか?

Minami:あのツアー中も、いつもだったら寝てる時間にKenさん起きてたり、外歩いてたりしたんですよね。普段全然しないことで。ライブも100%楽しんでない感じが伝わってきて、それは気になってましたね。

一一であれば、すぐストップできたのは幸いだった。

Ken:うん。ただ、すごく心配させてしまったなとは思う。その時点で決まってたライブ、今年の4月まで全部キャンセルさせてもらったから、「4月までは人前に出れないですよ?」って言われてたし。だけど案外元気でやってて。10月はまるまるお休み、もうバンドの練習もナシにしたけど、なんかやりたくなっちゃって。11月には練習スタジオ戻って曲作りを再開してた。

一一再開後、SNSやコラムにはあえて手を付けなかったんですか。

Ken:そう。Twitterもよーく読んで欲しいんだけど、もう何年も前から「もんげー!」と「○○を攻めっから」しか言ってなくて(笑)。もちろん心配させてしまってはいるけども、人前に出る予定もないのに「今こういう状態です」「もう大丈夫です」とか自分から言うのもなんか気持ち悪くて。

一一だったら作品出してから笑顔で言うほうがいいですよね。休んでみて、思考って変わりました?

Ken:恥垢?

一一思考です(笑)。SNSで何か言った、レスが来た、なんてやってると、自分の考えもまとまらないまま流れていくじゃないですか。

Ken:そうね。間違いなく日々の思考は変わると思う。そこまで客観的に自分では見られないけども。でもなんか変わった。あのままSNS上にいたらもっと大変だったかもなぁ。「報告しなきゃ」「コミュニケーション取らなきゃ」とか、そういう余計なことに頭を使ってたかもしれない。でも今はすごく居心地がいいから。バンドとしてもいい状態だと思う。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる