「かくれんぼ」がロングヒットの優里、聴き手の心を揺さぶる歌声とメロディ デビュー曲「ピーターパン」で新たな一面も

 SNSやTikTokをきっかけに人気が上昇したアーティストが増えている。最近ならば「香水」がスマッシュヒットした瑛人や、6週連続で“Billboard JAPANストリーミング・ソング・チャート”で1位を獲得したYOASOBIを思い浮かべる人が多いかと思う。ついこの間まで無名だったアーティストでも、SNSや定額配信サービスの普及によってリスナーとの出会いが生まれ、多くの人に聴かれるきっかけを掴みやすい時代だ。ここ最近は次々と新世代のスターが誕生している。8月9日に「ピーターパン」で<ソニー・ミュージックレーベルズ>よりメジャーデビューした優里もそんな「新生代のスター」の一人だ。

 2019年6月に活動を開始し、渋谷や新宿、横浜などを中心に路上ライブをコンスタントに続けていた優里。InstagramやTikTokには1年に渡りほぼ毎日その様子や、カバー動画などをアップし、あいみょんやMy Hair is Badから中島みゆきまで、幅広い選曲と歌唱力の高さで着実にフォロワーを増やし、その名を広めていった。また動画をきっかけに優里の存在を知りファンも増加。YouTubeにもいくつかカバー動画がアップされているが、コメント欄にはファンからの熱いメッセージが並んでいる。

 おそらくリスナーが優里に惹かれたのは、彼の表現力の高さにあるのだと思う。少しかすれたハスキーな歌声は個性的で耳に残り、一度聴いたら忘れられない。高音部分で叫ぶような感情を剥き出しにした歌声や、裏声を繊細に使う歌声の緩急が胸に刺さって感動してしまう。優里は言葉を真っすぐ伝えることができる表現力と才能を持っている。

優里「かくれんぼ」Official Music Video

 MVが1500万回以上再生され、Spotifyのバイラルチャート上位にもなった「かくれんぼ」は特に彼の魅力が伝わりやすい楽曲に思う。楽器の数が少なくシンプルな編曲で歌詞の言葉が綺麗にメロディに乗っている。だからこそ優里の言葉を真っすぐ伝える歌声が引き立つのだ。YouTubeチャンネル『THE FIRST TAKE』内のコンテンツ「THE HOME TAKE」に投稿された「かくれんぼ」の歌唱動画では原曲をよりアコースティックなアレンジに変化させており、音源以上にひとつひとつの言葉を伝える優里の歌声が引き立っている。現在までに500万回再生を超えているのは、原曲とはひと味違うパフォーマンスを見せた彼の表現力に魅了された人がそれだけいるということだ。

優里 - かくれんぼ / THE HOME TAKE

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