メジャーデビューシングル『ドント・ストップ・ザ・ダンス』インタビュー
フィロソフィーのダンス×振付師・Μёg特別対談 両者に聞く、表現力の成長とアイドルとしてのこれから
(この時期のメジャーデビューも)「悪いことばかりではない」(奥津)
ーーこのタイミングでのメジャーデビューは、やはり不安もあるのでしょうか?日向:悔やんでもどうしようもないし、「どうにかなるっしょ」の精神で、与えられた状況で頑張るしかない。あと、この状況だからこそ「お休みをいただきました」という罪悪感なく足を止められて、将来のことを考えたり、自分を深掘りしたりする時間がたくさんあった。逆にそれがメジャー前にできて良かったんじゃないかな。
奥津:おうち時間で「フィロのス沼」にハマって、「ライブに行きたい!」という高いモチベーションでずっと掘ってくれている方の温度を感じるんです。だから悪いことばかりではないと思う。
佐藤:正直、こういう状況じゃなかったら……と思うところはあります。でもオンラインになって、今までの東京中心の特典会から、ネットサイン会では海外から参加してくださる方もいたりして。この状況があって全国に向けた発信ができたので、マリリが言うように、悪い点だけではなかったな。
十束:いろんなグループがオンラインライブをやる中で、画面を通して伝えることや、VJを使った表現が、同じカメラを通した時にクオリティの違いが如実に分かるようになって。むしろ燃えてきたぞ、っていう感じです(笑)。クオリティが高いものを届けていきたいです。
ーーΜёgさんは、コロナ禍での4人の姿をどう見ていましたか?
Μёg:自粛期間中も4日に一度くらいのペースでZoomでオンラインレッスンをやっていたんですよ。ライブができるようになる頃には万全な体制でいられるように常に整えていて。誰ひとり後ろ向きな子はいなかった。
日向:あとは体力が落ちないように、レッスン後に5、6曲のミニライブをして、自宅で。
Μёg:私はお客さんで。たまに加茂(啓太郎/プロデューサー)さんが入ってきたり。狭そうだから「早くライブハウスでライブさせてあげてください!」って思ってましたね(笑)。
日向:狭かった(笑)。
奥津:部屋で踊るからね(笑)。
Μёg:でも、コロナが明けたら「ドン!」と爆発するんだろうなという風に見てました。
(作家陣の変更を受けて)「自分が発信するものという責任も生まれた」(日向)
ーー6月に『やついフェス』をオンラインでやった時に、同時視聴者が約3000人もいましたね。みんながフィロソフィーのダンスを切望している感じがありました。
全員:嬉しい。
奥津:今のジャパンには必要な女たちかもしれない。
日向:なんで最近ジャパンって言うの?(笑)
奥津:日本って言うと「お国」って感じがするから。ジャパンの方がポップな、みんなが生きてる地という感じがする。
ーー今回から作家陣が変わったことはどう受け止めましたか?
奥津:「お互い頑張っていきましょう」という前向きな感じだったので、私たちも後ろ向きにはならず、前を向いて駆け出していこう、「じゃあな!」という思いです(走りだすポーズをする)。
日向:2人の存在がグループの軸になっていた部分は大きいので、全く不安がなかったと言ったら嘘になります。だけどもう結論が出た事に対して悔やんでも仕方がない。私達が考えるべきは、じゃあこの状況で何をしたらベストなものが出来るかだと思っています。
歌詞は今までショウさん(ヤマモトショウ/全作詞を担当)が書いてくれたものを自分なりに解釈して歌うスタンスでやってきたんですけど、このシングルからは制作から関わるようになって、自分が発信するものという責任も生まれました。今回の歌詞は「みんなコンプレックスを持っているけど、誰にでも魅力があって、それって素晴らしいことなんだよ」というテーマで、自分自身もすごい共感できる。スタッフさんが私たちのライブを見た時に、ありのままでいる様子を魅力に感じてくれて、話し合いのもとヒャダインさんにお願いをして、こういう歌詞になりました。そう言った意味ではすごく良い転換のチャンスだったかな。
佐藤:今まで、個人的におふたり(ヤマモトショウ、宮野弦士。宮野は全編曲を担当)に頼りすぎていたというか、言われたことをそのままやっているような感覚でいて。今回自分たちで意見したものを取り入れていただいて、1フレーズ歌うにもちょっと力んじゃうくらいの気持ちが乗っかるようになって。これを機に成長しないといけないと思っています。
十束:長編アニメとかって、絶対に仲間との別れがあるじゃないですか。別れを経験して強くなってラスボスに挑む、みたいな。今後強くなる過程で、ふたりとまたどこかで交わることがあると思うので、これを読んでいるファンの方は不安にならないでほしいな。ヒャダインさんの言葉って、ストレートを打つ時の瞬発力みたいなものがあってとても好きなので、それが自分たちの歌詞に取り入れられて嬉しいです。