上白石萌音と清原果耶、共通点は歌声の“透明感”に それぞれの作品における清らかな音楽世界

 人気女優の音楽活動、というのは定番化した活動のひとつだ。音楽活動での経験を俳優業にフィードバックしたり、逆に俳優業での経験を音楽活動へフィードバックさせたりと、その活躍の仕方は様々だ。本稿では、今まさに注目を集める人気若手2人の音楽活動をピックアップ。彼女たちの魅力を解剖していこうと思う。

上白石萌音『note』

 今年1月から放送されたドラマ『恋は続くよどこまでも』では主演の佐倉七瀬役を務めるなど、圧倒的な存在感を放つ上白石萌音。そんな彼女のオリジナルアルバム『note』には、チャットモンチー済の橋本絵莉子、YUKI、松任谷正隆、いきものがかりの水野良樹、andropの内澤崇仁、GLIM SPANKY、ゲスの極み乙女。の休日課長、RADWIMPSの野田洋次郎など、現在の音楽シーンを牽引する錚々たるミュージシャンが楽曲提供や演奏で参加している。そんな音楽家たちが彼女のために作り上げた楽曲は個性に溢れるものばかり。GLIM SPANKYが制作した「From The Seeds」における、バンドの代名詞でもあるブルースロックっぷりや、RADWIMPS・野田による「一縷」における、彼の記名性の高いメロディは、一聴しただけで作者が分かってしまうほどにオリジナリティに満ちている。

上白石萌音 – 「From The Seeds」(Full Ver.)
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 そんな個性的な曲たちを真正面から受け取り、透明感のある歌声で寄り添う上白石。演じるように歌う彼女の歌い様は、様々な役を演じる彼女の表現力の高さも彷彿とさせる。橋本絵莉子が制作した「白い泥」は、アニメ『メジャー セカンド』の主題歌であることも相まって、青春の瑞々しさと一瞬の煌めきが零れるギターポップに仕上がった。「土砂降り」には休日課長がベース演奏で、ポルノグラフィティなどのサポートも務めるプロデューサー、宗本康兵が作・編曲で参加。跳ねるように軽やかなピアノの旋律を聞いていると、雨の中で長靴を履き、傘を差しながらスキップをする彼女の姿が思い浮かぶようだ。

上白石萌音「白い泥」MV (ショートVer.) & 8/26発売Album「note」トレーラー映像

 上白石作詞の「あくび」には松任谷正隆がエレクトリックピアノ、ハモンドオルガンの演奏で参加。同じく松任谷正隆が編曲した「やさしさに包まれたなら」(松任谷由実)を彷彿とさせるアコースティックギターの音色と、上白石のさりげない日々を切り取った詞は、日常が続くことの尊さをリスナーに導いてくれる。どの曲も作者の個性を残しつつも、上白石萌音というシンガーの魅力を存分に引き出している。聞き手の心に沈む暗澹とした気持ちを浄化させる、優しさに満ちた彼女の歌声は必聴だ。