Little Glee Monsterに聞く、歌で笑顔を届けるために模索した日々 2020年上半期から現在までの活動を振り返る

リトグリが振り返る、2020年上半期の活動

 Little Glee Monsterが、9月2日にシングル『足跡』をリリースした。『第87回(2020年度)NHK全国学校音楽コンクール』中学生の部課題曲に抜擢された表題曲(※2020年『Nコン』中止につき、2021年に引き継ぎ)に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う自粛期間中にアップしたマーヴィン・ゲイ&タミー・テレルのカバー「AIN’T NO MOUNTAIN HIGH ENOUGH」など全4曲を収録。

 今年予定されていたツアー『Little Glee Monster Live Tour 2020 >BRIGHT NEW WORLD<』は全公演延期になったものの、音楽番組へのリモート出演やオンラインライブの開催、YouTubeでの楽曲披露など、自粛期間から現在まで様々な形で音楽を届けてきたLittle Glee Monster。インタビューでは、そんな2020年上半期の振り返りから「明日へ」以来となるメンバー作詞曲「足跡」の制作エピソード、この特殊な期間を経て芽生えたアーティストとしての新たな感情について話を聞いた。これまで歌を通してリスナーに元気や希望を与えてきたリトグリが、今思うこととは。(編集部)【記事最終ページにプレゼント情報あり】

「この状況でも何かできることはないか?」(MAYU)

Little Glee Monster 『足跡』Music Video

ーー本来なら春から初夏にかけて、全国ツアー(『Little Glee Monster Live Tour 2020 >BRIGHT NEW WORLD<』)の予定でしたがこういう状況で延期になってしまいました。なかなか思うような活動ができない中、皆さんはこの状況をどう捉えていましたか?

MAYU:最初はここまで続くとは思っていなかったので、本当にギリギリまでツアーのリハーサルをしていて、「なんとか(ツアー初日を)迎えられるかも」みたいなところまで進んでいたのに、それがなくなってしまって。そのあとに緊急事態宣言が出て自粛生活が始まりましたが、その期間はリモート会議をする機会が増えて、その中で「この状況でも何かできることはないか?」とYouTubeにカバー曲をあげたり、オンデマンドライブのセットリストをメンバーで話し合ったりと、自分たち発信で何かをしてみようという話し合いが増えました。最初は「リハしてたのになあ。無駄になっちゃったなあ」とマイナス思考だったけど、そこからみんなで楽しめることを考えていくうちに、いろいろ前向きに取り組めるようになったかなと思います。

ーーこの期間、皆さん連絡を取り合ったりしていたんですね。

芹奈:うん、しょっちゅう取り合ってたよね。

ーー以前と比べて、そういう機会は増えた?

MAYU:増えました。毎日一緒にいるのが当たり前だったのが、そうじゃなくなってしまいましたし。私たち、かれん以外は一人暮らしで、普段は仕事で会っているから寂しくないけど、仕事ですら会えないとなるとやっぱり寂しくて。ほぼ毎日テレビ電話をしたりLINEしたりして、お仕事の話題以外にも「最近何してる?」とか(笑)、そういうたわいもない連絡を取ることも増えましたね。

ーーなるほど。実際、皆さんどんなことをして過ごしていましたか?

MAYU:私は自炊をすることが増えました。以前は、人のためには作ろうと思うんですけど、自分のために作ろうと思わなくて、食べられたら何でもいいやって考えだったんですけど、さすがにやることがなさすぎて(苦笑)。そんな大したものは作ってないけど、それが今もわりと継続されていて、ちょっと体が健康になった気がします(笑)。

manaka:私は今まで時間がなくて観られていなかった映画とか聴けていなかった音楽を楽しみました。でも、最初は充実していたんですけど、やっぱりインプットするとアウトプットしたくなるんですよね。今まではその逆で、インプットする時間がなくて出してばかりで「どうしよう?」と思ったりもしていたんですけど、最近はライブとか発散する機会、ちゃんとアウトプットする場所がないのがすごく悲しくて。人間ってバランスなんやなって、この期間ですごく知れました。

芹奈:ひとりの時間が本当に増えたので、自分と向き合うじゃないですけど、ずっとひとりでいろんなことを考えていました。もともと私、いろいろなものに対して考えたり思うことに敏感だったんですけど、多忙になるにつれ敏感さがちょっと鈍感になってきていたから、自粛期間中にその感覚が取り戻せたことはよかったなと思います。

アサヒ:自粛期間に入ってメンバーにも会えなくなって、人と話す機会が一気に減ったので、人との会話って大事だなと実感する期間になりました。普段はそこまで意識して「会話したい」という気持ちはあまりなかったんですけど、ひとりになると「これは寂しいな」と思っちゃいますよね。実際、誰とも話さない日も多かったですし。

かれん:私は家族と一緒に住んでいて、普段忙しい時期は母のごはんを食べているんですけど、この自粛時間は時間が増えたので自分で料理をする機会がたくさん増えましたし。あとは、オンラインで歌やダンスのレッスンを受けたりもしました。体を動かして鈍らないように気をつけていたんですけど、外にも出ていないしライブもなかったので、絶対に体力は落ちていると思います(苦笑)。

「もっといろいろできるんじゃないか」という思いが増した(芹奈)

>BRIGHT NEW WORLD< SPECIAL ON-DEMAND LIVE - Back Stage -

ーーそういう状況下でも、リトグリはかなり早いタイミングから音楽番組などへの露出にも積極的に取り組んでいる印象がありました。中でも、4月26日に放送されたNHK『お部屋でSING!』のインパクトが強くて。日曜のお昼に生放送で、かつ5人それぞれ別室で歌っていたんですよね。そういう状況も改めてすごいなと思いましたが、当日はどういう気持ちで臨まれましたか?

芹奈:まず、あの場を作ってくださったスタッフさんに本当に感謝の気持ちでいっぱいですし、私たち自身もあの企画があって本当によかったなと思っていて。ずっと歌えていなかった、届けられていなかったというのもあったので、あの番組をきっかけに「もっといろいろできるんじゃないか」という思いが増した気がします。

ーー実際、あの番組に向けてのリハーサルはどのように進めたんですか?

かれん:ラジオ収録のときにちょっとやったくらい?

他のメンバー:ああ、そうだね。

かれん:普段は顔を見ながら歌っていましたけど、あのときは5人別々の部屋だったので、放送までに顔を見ずに背を向けあって歌う練習をしました。ちょうどソーシャルディスタンスで大きな部屋を使って収録したことがあって、そのときにリハをしたんですけど、やっぱりアカペラだけは難しくて。オケがあるとリズムがまだ崩れないんですけど、アカペラは自分たちでリズムを作らなくちゃいけないので、合図もできないし耳でしか頼ることができないので、唯一難しかったなと自分たちでも感じました。

芹奈:スタッフさんも私たちも初めての経験だったので、かなりリスキーだなというのもありましたし。

MAYU:しかも生放送だったしね。

芹奈:「本当にできるのかな?」と不安だったんですけど、いざやってみると放送後の反響が本当に大きくてびっくりしました。特に医療従事者の方たちもたくさん観てくださっていて、「勇気をもらえた」「元気が出た」という声もいただけたので、やってよかったなと思えましたね。

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