Little Glee Monsterに聞く、歌で笑顔を届けるために模索した日々 2020年上半期から現在までの活動を振り返る

リトグリが振り返る、2020年上半期の活動

オンデマンドライブで「届いているんだなと確認できた」(かれん)

かれん、MAYU、アサヒ

ーー6月27日には初のオンラインライブ『Little Glee Monster >BRIGHT NEW WORLD< スペシャルオンデマンドライブ』も開催。あのときは何を伝えたいと考えていましたか?

かれん:3月からのライブツアーでニューアルバム『BRIGHT NEW WORLD』の中からたくさん歌う予定だったんですけど、それが今年はできなくなってしまったので、「新曲も何曲か歌えたらいいね」というのと、あとはこんな状況下で皆さんに元気になってほしい、明るく笑って過ごしてほしいという気持ちを込めて、みんなで話し合ってライブを作りました。ライブ中はリアルタイムで皆さんからの声もたくさん見えていたので、ちゃんと届いているんだなと確認できてうれしかったです。

ーー無観客だと歓声やレスポンスがないなど、普段のライブとは感覚が異なると思います。

芹奈:実際、お客さんの声が恋しかったですね(笑)。

manaka:目の前に人がいてくれることで、こんなにも力が湧くんだなってことも感じましたし。だからといって、オンラインライブでは力を込められないという意味ではないですが、オンラインライブはどこからでも私たちのライブを観ていただける良さもあるんですけど、「よっしゃ、みんなの喜んでくれる顔を見たい!」という気合いってライブを盛り立てる要素の大半を占めているんだなってことを、今回改めて実感させられました。

ーー皆さんはこれまでも聴き手を元気づけるような楽曲を歌ってきましたが、今回のような状況に陥ったことで「私たちが勇気づけなければ」みたいな使命感は以前よりも強くなったのでしょうか? 最近の活動を振り返ると、そういう気がするのですが。

MAYU:私たちは歌っている側ですけど、音楽を聴いて助けられる部分もたくさんあるし、それを自粛期間に、普段触れてこなかったアーティストさんの曲を聴いたりオンラインライブを観たりすることによってパワーをもらいました。と同時に、自分たちも同じアーティストとして発信したいと思ったから、話し合ってYouTube動画を公開したりオンデマンドライブをやろうと決めた。今までもそういう気持ちはありましたけど、よりそれが強まったのは確かだと思います。直接会えないぶん、今の時代は画面を通してでもそれができる。今後もまだこの状況が続くと思うので、どんどんそれを活用していきたいですね。

迷っている子の背中を押せるような言葉が全員共通していた(manaka)

manaka、芹奈

ーー9月2日にニューシングル『足跡』がリリースされます。表題曲の「足跡」は『第87回(2020年度)NHK全国学校音楽コンクール』中学生の部課題曲に採用されましたが最初にNコン課題曲を歌いますと聞いたとき、皆さんどう思いましたか?

MAYU:自分たちも学校行事で合唱コンクールがありましたし、合唱曲は5〜6年経った今でも覚えている。そんな、みんなが歌える曲がたくさんある合唱曲の中に、自分たちの曲が含まれることになったのもうれしくて。

ーーしかも、その曲を皆さんで作詞することに。シングルでの作詞は3年前の「明日へ」以来ですが、今回はテーマ決めや書き方などをどのようにして進めましたか?

かれん:今年のNコンのテーマは「とびら」。中学生が抱えている独特の悩みや不安を私たちは少し先に経験しているので、ちょっと先輩の私たちから今の中学生の子たちへのメッセージとして、この歌詞をみんなで書いたんです。まず、ワンコーラス分ぐらいを5人それぞれが書いて、それをスタッフさんとメンバーで一緒に「どうしたらもっといい歌詞になるか?」という話し合いをして形にしていきました。

ーー「明日へ」のときはみんなが書いた歌詞をmanakaさんが中心になってまとめたとおっしゃっていましたが?(参考:Little Glee Monsterが明かす、初の作詞曲で挑んだ“新境地”「シンプルこそ難しいと改めて思う」

manaka:今回はまずスタッフさんが響きやリズムを考慮して、メンバーそれぞれの一番良いフレーズを抜粋して。そこから私たちが「ここは『とか』っていう響きのほうがいいんじゃないか?」「『なら』のほうがいいのでは?」みたいに手を加えていったんです。

かれん:「それはこのフレーズだね」とか「そこにはこの言葉がいいよね」とかみんなで悩みながら進めました。

ーーそれぞれが持ち寄った歌詞で、印象に残ったものはありましたか?

manaka:実は、集めた歌詞に名前が書いてなかったんですけど、意外と5人とも意味や内容がズレている気はしませんでした。「とびら」というテーマに対しても、勇気を出して晴れやかに開くというよりも、不安を抱えて道に迷っている子の背中を押せるような言葉が全員共通していたので、結構どの歌詞もいいなと思いました。

「合唱曲といえば『足跡』」みたいになれたら(かれん)

ーーこの曲にはもうひとつ、「足跡 合唱ver. featuring NHK東京児童合唱団」と題した合唱バージョンも存在します。オリジナルバージョンとはキーが異なったり、歌い方も合唱に合わせて変えていたりとイメージが異なる仕上がりです。

manaka:合唱バージョンはすごく華やかですよね。1色になるために全員が合わせていく合唱ならではの良さがあるんですが、実はその難しさも私たちはよく知っていて。リトグリの場合、5人バラバラの個性がひとつに集まる良さというのはあると思うんですけど、5人が1色になるようなユニゾンって本当に難易度が高いんです。だから、この合唱バージョンのように皆さんがユニゾンで歌っても誰もはみ出していない、きっちり全員が同じ道にいるすごさをレコーディングのときに感じました。

芹奈:合唱バージョンには東京児童合唱団の方々が参加していて、皆さん私たちよりも年下で。それこそ「足跡」にぴったりの年代の子たちが歌ってくれたので、そのリアルな子たちの声と私たちの声が混ざり合うことに、また違う感動があるなと思いました。

manaka:5人バージョンと合唱バージョン、どっちの良さもあるので、ぜひ両方聴いていただきたいですね。

ーー残念ながら今年のNコンは中止となりましたが、「足跡」は2021年のNコン中学の部課題曲に引き継がれることになりました。また、NHK『みんなのうた』8・9月の新曲としてもオンエア中。長く愛してもらえる1曲になりそうですね。

かれん:それこそ、中学生の皆さんがどんどん歌い継いでいくことによって、「合唱曲といえば『足跡』」みたいになれたら最高ですよね。

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