FANTASTICSメンバー分析【入門編】Vol.2:世界

FANTASTICS 世界の圧倒的なダンススキルとリーダーシップ サブカルチャーを愛し、エンタメ発信を惜しまない一面も

 EXILEのパフォーマーである世界と佐藤大樹、EXPGから選出された澤本夏輝、瀬口黎弥、中尾翔太、堀夏喜、木村慧人。『EXILE presents VOCAL BATTLE AUDITION 5』の合格者である八木勇征と中島颯太をボーカルに加えたダンス&ボーカルグループ、FANTASTICS from EXILE TRIBE(以下、FANTASTICS)。爽やかなビジュアルや楽曲、スタイリッシュなダンス、演劇パートを取り入れた独創的なライブスタイルなどが魅力の彼らが、9月23日に6thシングル『Winding Road ~未来へ~』をリリースする。そこで本連載では、FANTASTICSのメンバーに1人ずつフィーチャー。第2回となる今回は、最年長リーダーの世界について紹介していく。

 世界は、1991年2月21日生まれで神奈川県出身。本名は山本世界。“ダンスの申し子”と呼ばれる彼は、元タカラジェンヌでダンス講師をしている母親(元宝塚歌劇団60期生の青樹りょう氏)の影響で、2歳から自然とダンスを始めた。当時は今のようにキッズダンサーが多くなかったため、どこに行っても最年少だったそうで、舞台のセンターでパフォーマンスしているうちに「人から見られる楽しさを知ってしまい、自然と舞台にハマっていきました」(参照:okepi)とのこと。その流れで自らオーディションを受け、2001年~2003年には劇団四季『ライオンキング』にヤングシンバ役として出演。それと同時に、小学生の頃にはO.G.SのTATSUからヒップホップを習ったり、PYROのTooRuからハウスを習ったり、第一線で活躍するダンサー達からさまざまなジャンルのダンスを学んでいたそうだ。そして、高校を卒業すると18歳の時にニューヨークに渡り、ヒップホップダンスの礎を築いた伝説のダンスチーム、ELITE FORCEのオリジナルメンバーLOOSE JOINTに師事。2011年からは三浦大知などのバックダンサーを務め、2012年にはELITE FORCEのSTRETCHがやっているインターナショナルなバトルイベント『STEP YA GAME UP』で優勝した。EXPG東京校のインストラクターとして、現メンバーである佐藤、澤本、木村にダンスを教えていたこともあるという。

 そんなインプット期間を経て、2014年、23歳の時に『EXILE PERFORMER BATTLE AUDITION』に挑戦。後に「オーディションに受かりたいというよりは単純に、自分のダンスをメンバーの皆さんへ見せたいと思いました」(引用:Dews)と語っている通り、圧倒的なダンススキルを見せつけ、FANTASTICSメンバーの佐藤と共に、一般応募からEXILEメンバーの座を掴んだ。現在は、EXILE、FANTASTICS、ダンスチームFTHEBの一員として活動している。

 ちなみに、オーディションを受けるにあたって大きく影響を受けた存在として、世界はEXILE TETSUYAの名前を挙げている。というのも、2人は20年来の付き合いで、世界が小学2年生の時、当時19歳のEXILE TETSUYAもO.G.SのTATSUからダンスを習っていたという先輩後輩の間柄。もともとは「アンダーグラウンドと呼ばれるダンスの大会に出るとか、ダンスの先生になって世界を回る」(参照:モデルプレス)といった夢も持っていた世界だが、身近な存在であるTETSUYAが2009年にEXILEに加入したことで、子どもの頃に“いつか一緒に踊ってみたい”と思っていたEXILEの存在がリアルな目標となったようだ。当時を振り返り、「『EXILEはダンス&ボーカルグループというだけじゃなく、一人ひとりの夢をかなえる場所』というテツヤさんのリアルな話が頭に残っていました」(引用:スポーツ報知)と語っている。

 主なダンスジャンルは、ヒップホップ。とはいえ、前述したように子どもの頃にはハウスを習っていたり、母親の影響で10年以上バレエやジャズダンスを習っていた過去もあり、オールジャンル得意。そのため、FANTASTICSでは振付や構成を担当することも多く、ダンスリーダー的な役割を担っている。たとえば、デビューシングルのタイトル曲「OVER DRIVE」(中尾との共作)や『夢者修行 FANTASTIC 9』のリハーサル時に9人で初めて合わせた楽曲「WHAT A WONDER」(堀との共作)の振付を担当。「OVER DRIVE」では、高身長揃いというグループの強みを活かし、パワフルながらも長い手足が映えるスタイリッシュなパフォーマンスを披露。現在は他のメンバーも積極的に振付をしているが、デビュー時のインタビューによると「(振付に関して)水が流れるように、無茶な流れを入れないことを心がけてます。あとは抽象的ですけど煌めきというか……モノでいうと真珠とかダイヤとか宝石っぽい美しさをイメージしてます」(参照:FANTASTICSが語る、“Jr.EXILE”としての決意「EXILE魂をより注入できる存在に」)。自分のダンスについても「今も踊るときにはバレエの意識が染み付いていて、指先や姿勢が気になります」(参照:okepi)と語っており、ヒップホップダンスが持つ荒々しいイメージとは一線を画している。

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