嵐「A-RA-SHI:Reborn」TV初披露に寄せる期待 アニメ『ONE PIECE』とのコラボが必然である理由を考察
8月26日に『2020 FNS歌謡祭 夏』(フジテレビ系)が放送される。司会は嵐・相葉雅紀とフジテレビアナウンサー・永島優美が務める。アーティスト出演情報が続々と発表されていく中でも注目したいのが特別企画の一つ、嵐とアニメ『ONE PIECE』(作・尾田栄一郎)とのコラボレーションだ。
今年1月4日にフルバージョンが公開された「A-RA-SHI : Reborn」のMVでは、アニメ『ONE PIECE』の世界に嵐メンバーが登場。動画再生数は480万回を突破した(8月25日現在)。MVは、嵐のメンバーの実写とアニメーションパートで構成されており、メンバーの特徴を捉えた『ONE PIECE』風のイラストも登場する。嵐が冒険中に漂流してしまったことを知らせる新聞記事をルフィが見つけると、目玉が飛び出るほど驚くチョッパーとウソップ。そしてSOSを出す嵐をナミが発見し、ストーリーは動き出す。
『ONE PIECE』の世界にすんなりと入り、ルフィ達と仲を深めていく嵐。チョッパーを抱きしめる相葉雅紀に、ストーリーの中でも魚をさばく大野智と、メンバーの個性が出ている。2次元と3次元がシームレスにリンクし、細部まで気になって何度でも観たくなるMVだ。
楽曲も「A-RA-SHI : Reborn」と、リプロダクションしたことにより歌詞の一部がアップデート。英語詞が増え、嵐の現在の心境を盛り込んだようなメッセージが込められている。例えば、原曲「A・RA・SHI」では、〈ボクらはいつも探してる でっかい愛とか希望探してる〉だったが、「A-RA-SHI : Reborn」では〈僕ら未だ まだ見てる でっかい愛とか希望探してる〉と、「いつも」が「未だ」に言い換えられており、不動のトップアイドル、圧倒的な活動量にて、名を馳せてもなお高みを目指す彼らとリンクする。
嵐はこれまでにも、2012年放送『第63回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)にてディズニーとのコラボが実現。また、アニメの世界でも『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(フジテレビ系)のエンディングに嵐の「ナイスな心意気」が起用され、物語の最後に5人が登場したこともあった。
今回の嵐と『ONE PIECE』のコラボレーションは、単に人気者同士だからというわけではなさそうだ。『ONE PIECE』は、1997年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)にて連載を開始。1999年10月からテレビアニメがスタートした。同じく嵐も1999年9月にハワイでお披露目会見を行い、11月にCDデビューと、両者は同じ時間を重ねてきた。加えて、“国民的”と冠することができるグループ、作品へと成長。性別・年齢を問わず多くのファンがいる。
『ONE PIECE』は2015年にコミック全巻の累計発行部数が3億2千万部を突破、「最も多く発行された単一作者によるコミックシリーズ」として当時のギネス世界記録に認定。嵐も2019年発売のベストアルバム『5×20 All the BEST!! 1999-2019』が330万枚を売上げ、同年に「最も売れたアルバム」としてギネス世界記録に認定された。作者や演者、それを支えたスタッフなど発信側の生みの苦しみもあれば、そのクリエイティブを支持したファンなくしてはこのような記録は成立しない。20年にも及ぶ“継続”も、両者に共通するキーワードだ。