indigo la End、現実と非現実を行き来するような音楽世界 屋外無観客中継ライブ「ナツヨノマジック」レポート

 ライブのクライマックスは、「夏夜のマジック」。ステージからスタンド席に移動した川谷がハンドマイクで歌っていると、上空には打ち上げ花火の煌びやかな光と“ドーン!”という音が鳴り響く。憂いを帯びたメロディと〈打ち上がった花火を見て笑った君を思い出したよ〉というライン、そして、真夏の夜空を彩る花火が描き出す切ない情感は、indigo la Endの本質そのものだったと言えるだろう。

 もう一つのニュースは、新曲「夜風とハヤブサ」が初めて披露されたこと。

 しなやかなスラップベース、心地よいファンクネスをたたえたドラム、キレのいいギターカッティングが聴く者の身体を揺らすこの曲は、いわばIndigo la End流のダンストラック。AORとファンクが融合したサウンド(個人的には80年代の山下達郎のテイストも感じました)、洗練とエモさを併せ持ったメロディ、〈ハヤブサみたいな恋〉をモチーフにした歌詞など、このバンドの新たな音楽的成果を実感できる楽曲だった。

 最初で最後のMCで川谷は、10周年を迎えられたことの感謝とともに「僕らは相変わらず、自分たちのペースでやっていこうと思っています。今後ともよろしくお願いします」と語った。ラストは「結び様」。穏やかな雰囲気の音像、〈結んでもないから/僕はもう君を愛さないことにするよ〉というフレーズがじんわりと沁みるなか、ライブはエンディングを迎えた。

 このライブの映像は8月13日19時よりライブ配信サービス「Thumva」にて有料配信され、17日18時までアーカイブ配信も実施。さらに8月21日には、ビルボードライブ東京で『indigo la End 10th Anniversary Special Edition in Billboard LIVE「Only that vol.1」』を開催するなど、ライブ活動も徐々に活性化しているindigo la End。豊かな音楽性、美しい寂寥を滲ませる歌を中心とした彼らの音楽はこの夏、改めて注目を集めることになりそうだ。

10th Anniversary Visionary Open-air Live「ナツヨノマジック」全曲ダイジェスト

■ライブ映像配信情報
indigo la End 10th Anniversary Visionary Open-air Live「ナツヨノマジック」WEB配信
配信プラットフォーム Thumvaにて8/17までアーカイブ配信中。
URL
・視聴チケット 8/16 23:59まで発売 一般:¥3500 FC会員:¥3000 
・アーカイブ期間 8/13(木)22:00~8/17(月)18:00

■リリース情報
「夜風とハヤブサ」
配信中

■関連リンク
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indigo la Endオフィシャルサイト

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