佐藤結衣の「K-POPメンバー図鑑」Vol.22
WINNER ジヌ、フニ、ミノ、ユン……“2ボーカル2ラッパー”スタイル確立した各メンバーの強みと実力
WINNERが、7月22日にデジタルアルバム『Remember -JP EDITION-』をリリースした。WINNERは、YGエンターテインメントからBIGBANGに次ぐ新たなスター誕生を目指したサバイバル番組『WIN:WHO IS NEXT』で、2014年8月に本国デビューを勝ち取ったボーイズグループだ。
翌月には、日本でもデビューアルバム『2014 S/S -Japan Collection-』がオリコンウィークリーチャート2位を獲得するなど、大きな注目を集めてきた。2016年には最年少メンバーのテヒョンが脱退したことで、4人体制で新たな歩みを進めた。2ボーカル2ラッパーという独自のスタイルを確立し、さらにリーダーのユンをはじめメンバー自ら作詞作曲をする大きな強みを持つ。
2020年4月から最年長のジヌ、そしてフニが順に兵役の義務を果たしに行ったことから、グループでの活動は休止状態に。しばらく離れ離れになるけれど、ファンと「お互いを覚えていよう」という想いが込められた『Remember』は、特別な響きを持つものになった。4月9日に発売された『Remember - KR EDITION-』は、5つの韓国主要配信サイトで1位を記録。海外20カ国のiTunesトップアルバムチャートで1位に、そして日本国内でもiTunesポップチャート、K-POPチャートで1位を獲得した。
今回リリースした『Remember -JP EDITION-』では、タイトル曲「Remember」の日本語バージョンを収録。完全体でのカムバックを待ちわびる日本ファンへに寄り添うプレゼントになった。まだ少し先になりそうなグループでの活動再開。離れた時間こそ愛を育てるという言葉を信じて、今一度彼らの魅力を振り返りたい。
透明感のある美貌と歌声を持つリードボーカル、ジヌ
最年長でありながら、まるで末っ子と見紛うような可愛らしさを持つジヌ。デビュー前から番組を通じて、驚くほどの方向音痴であることや天然キャラな一面が発見され、端正な見た目とのギャップに萌えるファンが続出した。
美しいビジュアルを充分自覚しており、自ら「キヨミ(かわいい人)」と言って見せることも。さらに、インタビューでアピールポイントを尋ねられると、メンバーからも「顔でしょう」と絶賛の声が上がる。だが、その外見だけでデビューを勝ち取るほど、この世界は甘いものではない。ジヌは「眠らない努力の天才」と評されるように、練習生時代からストイックに自分を磨き上げてきた練習魔。
特に、その努力家な一面が垣間見えたのは、新体制となったタイミングだった。メインボーカルとして、その繊細かつ透き通るような歌声は、力強いラップとの鮮やかなコントラストを生み出し、WINNERらしさを際立たせている。『Remember』には、ユンが作詞を手がけたジヌのソロ曲「DDUK」も収録されているので、その透明感のある歌声に酔いしれてほしい。
ワード、ファッション、振り付け……センス溢れるアーティスト・フニ
リードラッパーでありメインダンサー、そしてサブボーカルと何役もこなすフニは、グループのムードメーカー的存在。会見では積極的にジョークを飛ばしたり、メンバーのコメントにツッコミを入れたりと、常に周囲に気を配り、雰囲気を良くしていく。
その広い視野ゆえに、自分の魅せ方がうまいのだろう。183cmと言われている長身を活かして、通常ではミスマッチと思えるような難しいアイテムも、さらりと着こなしてしまう。また小学生のころからダンスが得意で、ダンスグループ ・Honest Boysの一員として活動。その実力を存分に発揮する形でWINNERの振り付けを手がけている。
さらに、作詞・作曲もこなし、WINNERの楽曲にもフニのセンスがにじみ出ている。ラップでは高音パートを担当しており、まさにWINNERの支柱的存在だ。『Remember』にはフニのソロ曲「SERENADE」も収録。明るくてダイナミックなこの曲は、BIGBANGのSOLをリスペクトしている彼の美学が感じられる。人を楽しませ、自分を魅せる天才が創り出す独自のワールドをぜひ堪能してほしい。