Kis-My-Ft2、悔しさや喜びの共有を経て繋がれた絆 グループ結成15周年に寄せて
「キスマイのため」その想いを原動力に
「舞祭組」の結成、活躍も転機だった。
『プレバト!!』にて、俳句の才能を開花させた横尾は、資格を活かし『いぬのきもち』にて隔月連載を開始。レギュラー番組『10万円でできるかな』内企画「1食100円生活」では、オフの姿で“ガチ”の自炊対決を行うなど、新たなアイドル像を構築している。自問自答しながら進むべき道を定めた横尾は、今まさに絶好調。底が知れない、キスマイの最終兵器だ。
キスマイのバランサーといえる宮田は、個人での仕事も多数。幅広い層から愛されるアイドル道を邁進中だ。アニメファンからは「宮田ニキ」の愛称で親しまれ、今秋上映予定の映画『BEM』にてついに声優デビューが決定。「好きなものは好き」と貫けば、いつか実を結ぶときがくる。宮田の姿勢は、多くの人の希望になっている。
「キスマイのガヤ芸人になりたい」と語っていた二階堂。『世界の何だコレ!?ミステリー』の調査隊をはじめ、バラエティに積極的だ。器用で、幅広くなんでもできる男だが、メンバーに遠慮して一歩引く節がある。陰ながらの努力は、その姿を見ればもう、誰もが分かっている。誰よりもキスマイを愛する二階堂こそ、キスマイのさらなる飛躍におけるキーマンだろう。
何をおいてもキスマイを選び続けてきた千賀健永。『プレバト!!』では、俳句のほか水彩画でも高評価を受け、隙あらば絵の一部にキスマイを示唆するロゴを記す。溢れんばかりの芸術的才能は惜しみなくキスマイに注がれ、数々の楽曲で振付を手がけてきた。千賀が持つ豊かな感性とセンスは、キスマイのパフォーマンスをより一層、高みへと引き上げる。
ソロの仕事は「キスマイのため」。「キスマイを大きくしたい」、その想いを原動力に、彼らは切磋琢磨している。
悔しさや喜びの共有を経て、繋がれた絆
最新アルバム『To-y2』に収録されている「COUNT 7EVEN」。ビッグバンドの演奏が映える、ジャジーな1曲だ。
“7人(SEVEN)でEVEN”“7人あってのキスマイ”=「7EVEN」、という造語を冠した楽曲に、印象的な一節がある。
〈繋いだものを離さぬように 続けるって難しいことは知ってる〉
第三者によって集められた、年齢も経歴もなにもかもバラバラの7人。まとまるのは容易いことではなかった。敬語禁止ゲーム、いくつもの喧嘩と衝突、悔しさや喜びの共有を経て、繋がれた絆。
今でも仕事で7人が揃った日には、自然にファンへと報告し、「メンバーの新しい一面を見た」と嬉しそうに綴る。これほど長い付き合いを経てなお、互いへの興味は尽きないようだ。
些細なことで揉めたかと思えば、もっと些細なことで手を叩いて笑っている。年齢を重ねても、彼らの距離感は変わらない。
「7人で生きていく」「一生、一緒」と、たびたび公言してきたキスマイ。7人で見たい景色、7人が見せたい世界、掴み取りたい夢がある。いくつもの逆境を7人で乗り越えてきた彼らの姿に、永遠に消えない虹の存在を、信じてみたくなる。
“余りもの”であったことさえ、振り返れば必然。70億分の7の可能性が集まった、奇跡のような日を通過点に、Kis-My-Ft2は進んでゆく。まだまだこれから、だ。
■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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