2PM Jun. K、新曲「THIS IS NOT A SONG, 1929」とオンラインコンサートから見えた魅力 歌唱力と深い表現力でファン魅了
2PMのメンバー・Jun. Kが、本格的に動きだした。兵役でのブランク約2年を経て、デジタルシングル「THIS IS NOT A SONG, 1929」を6月10日にリリース。2PMでは音楽活動再開の最初のランナーとなったJun.K。同じ日には初のオンラインコンサート『THIS IS NOT A SPECIAL LIVE』を開催した。今回はJun. Kのオンラインコンサートの様子を振り返りながら、3週に渡って配信されたLINE LIVEで語った新曲「THIS IS NOT A SONG, 1929」に込めた想いなどを考察していきたい。
「THIS IS NOT A SONG, 1929」は「僕の心臓」
「THIS IS NOT A SONG, 1929」というタイトルは不思議だ。「曲なのに曲ではない」というタイトルについて、Jun. KはLINE LIVEで「人々に自分の気持ちを伝えるときに、いろんな言葉を借りて綺麗なメロディに乗せてみても、本当の僕の気持ちは表現できない。これは歌じゃなくて、僕の心臓なんです」と答えている。彼にとって、音楽は生きていくために大切なもの、Jun. Kの一番大事なもの「心臓」そのものなのだ。それがこの曲の最初から最後までに込められている。
曲全体は静かなバラード曲だが、力強さがある。約2年間の兵役による空白期間は、彼にどのような成長をもたらし、強さを与えたのか。静かなメロディの中に、それを感じることができる。サビ部分の〈This is not a song. This is my heart〉という歌詞は、そのまま彼自身を表しているようだ。彼がこの曲で伝えたいこと、それは前述した通りアーティスト・Jun.Kの切実な思いなのだ。
また、ジャケットイメージからMVまで、この曲には月が多く出てくる。Jun. Kは今まで、「Walking On The Moon」や、アルバム『NO SHADOW』のロゴなど、月を題材にしたものが多くある。「満月を見るといつも願い事をしていた」というJun. Kは、月は願いを叶えてくれるもの、という思いが強くあるのかもしれない。この曲に込められた「自分の思いを伝えたい」という強い思いをJun. Kは月に乗せているのだろう。それはこの楽曲を聴いた人たちの心を動かすはずだ。
無観客で行われた『THIS IS NOT A SPECIAL LIVE』
「THIS IS NOT A SONG, 1929」のリリース同日、『THIS IS NOT A SPECIAL LIVE』と銘打ったオンラインコンサートを2PMの公式YouTubeチャンネルを通じて開催した。これはJun. Kにとっては初のオンラインコンサートで、もともとは春から日本でツアーを開催する予定だったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響により予定通り行うことが難しくなった。今回のコンサートは通常のツアーが行えなくなった中で、今年兵役を終えたJun. Kがファンに画面を通してパフォーマンスを届ける最初の場となった。ファンのコール&レスポンスを大事にしているという彼にとって、観客がいないオンラインコンサートは、どのようなものになったのだろうか。
コンサートは車から降りて会場へ向かうJun. Kの姿から始まった。ラップで始まるヒップホップ曲「EVEREST」を歌いながら会場に向かっていく。この時点でコンサートが始まっているのか? と思わせながら、会場内の階段でも派手なライティングの中で歌い続ける。そのまま無観客の座席を歩き、ステージへ上がりパフォーマンスへと流れる。面白いオープニングだ。
1曲目が終わると、2PMのメンバーのウヨンが登場し、今回のオンラインライブの趣旨をファンに伝えた。ウヨンがJun. Kを呼び戻すと、軽いインタビューがスタート。「直接ファンの皆さんに会いたかった」というJun. Kはいつもならあるはずのコール&レスポンスのない会場に少し戸惑いながらも、準備された歓声の音声が流れると「声が全部同じ!」と笑ってこの状況を楽しむ様子を見せ、世界中からライブを見てもらえていることに、様々な国の言葉で感謝を述べた。
その後、2016年にリリースされたミニアルバム『Mr. NO❤︎』から、「Better Man」が披露され、本編へ戻っていった。しっとりとしたギターから始まる「Better Man」は日本アルバムで最初に披露されたJun. Kの歌唱力を堪能できるバラード曲だ。久々に聞く彼の声は、2年のブランクを感じさせず、相変わらずの声量とそのうまさに思わず唸り声が出てしまった。