The Individualism of BEYOOOOONDS ~ビヨーンズの個性と発展~

BEYOOOOONDS 里吉うたの、長寿コンテンツに惹かれるダンス少女? キャラクター性を徹底解説

 ハロー!プロジェクトの最新グループ、BEYOOOOONDS。2018年に結成され、2019年にシングル『眼鏡の男の子 / ニッポンノD・N・A! / Go Waist』でメジャーデビュー。寸劇などの身体要素を取り入れた個性的な楽曲が話題を呼び、オリコン週間チャート初登場1位を獲得。同年末には日本レコード大賞の最優秀新人賞を受賞。令和2年、さらなる飛躍が期待されているアイドルグループだ。

 楽曲も個性的なら、メンバーのパーソナリティーも個性的なのがBEYOOOOONDS。今回の連載企画では、メンバー12人それぞれのキャラクターについて、5つのポイントを立てて紹介していく。ついに最終となる第12回は里吉うたの。いわゆる“ONLY YOUオーディション組”3人のうちのひとりだが、はたしてどんな女の子なのだろうか。

ダンス少女がハロプロへ

里吉うたの

 両親が音楽好きで、幼少のころから洋楽やブラックミュージックを聴いて育ってきたという里吉。5歳の時点からダンスを習い始める。最初はヒップホップダンスで、その後はジャズ、ハウス、ロックなど、いずれもストリート系のダンスを学ぶ。中学1年のころには、即興で振り付けをできるようにもなるなど、本格的だ。

 同時期に、ハロプロも好きになる。モーニング娘。の2011年のシングル「まじですかスカ!」のMVを観たのがきっかけだという。この曲は譜久村聖や生田衣梨奈など第9期メンバーが加入してから最初のシングルで、2000年生まれの里吉が小学4~5年のころに出会ったということになる。

 そして牧野真莉愛や羽賀朱音といった、里吉と同年代の女の子がモーニング娘。へ加入するのを見て、自分もアイドルになってみたいと刺激を受ける。そこから2018年開催の『ハロー!プロジェクト“ONLY YOU”オーディション』へ応募。平井美葉、小林萌花と里吉の3名が合格となり、BEYOOOOONDSへ加入することになった。このオーディションは才能・技能を持つ女性を広く募集したもので、里吉と平井はダンス、小林はピアノという特技が買われての合格だった。同年12月のイベントにてファンの前へ3人がお披露目され、BEYOOOOONDSはここで現在の12人体制となった。

BEYOOOOONDSのもうひとりのダンスマシーン

 里吉と同期で加入した平井美葉もダンスを特技とするが、彼女の場合はクラシックバレエの経験が下地となっている。一方、里吉はストリートダンス、その中でもワックダンスを得意としている。ワック(WAACK)は1970年代に生まれたダンス様式で、腕をムチあるいはヌンチャクのように振り回すしなやかな動きが特徴的。

 里吉ら3人とCHICA#TETSU・雨ノ森 川海の9人が初対面した際のドキュメント動画「BEYOOOOONDS 第1章 vol.5」では、自己紹介代わりとして「七転び八起き」(アンジュルムのシングル)に合わせて踊る里吉の姿を見ることができる。

BEYOOOOONDS 第1章 vol.5

 YouTube番組『tiny tiny』の里吉出演回では、番組オープニング曲に合わせてのオリジナルダンスを披露。

【tiny tiny#91】ゲスト:BEYOOOOONDS 里吉うたの コーナーゲスト:モーニング娘。'19 石田亜佑美、カントリー・ガールズ 山木梨沙

 GYAOで配信中のネット番組『ハロプロ ONE×ONE』では、つばきファクトリーの秋山眞緒と里吉の二人がワックダンスの早覚えに挑戦するという企画があった(参照)。

 『“ONLY YOU”オーディション』で、ダンスが特技なメンバーを二人合格させたというのは、のちのグループでの活動を見越してのことだったのかなと個人的には思う。一人よりは二人のほうが、グループ内でより映える局面も多いだろう。竜と虎、将棋の飛車角、東大寺金剛力士像の阿形と吽形のように、二対になることで出せる迫力というものがあり、里吉と平井によるそのような形も、今後のBEYOOOOONDSの活動の中で観ることができるのかもしれない。

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