KinKi Kids 堂本光一と堂本剛が発揮する“エンタメ力”と“寄り添い力” 異なるかたちで届けるファンへの愛

 堂本剛は、現時点ではまだ「Johnny's Smile Up!Project」には登場していない。しかし、毎日欠かさず自身のwebページ「Love Fighter」をアップしている。最近では、1日2回更新することもめずらしくない。

 「今日は〇〇を食べました」。日々の他愛無い出来事の報告が、ゆるりとしたあたたかい文章で綴られる。剛の優しい声で再生されるような、彼特有の言葉選びが心に染み渡る。何気ない日常ほど、尊いものはない。剛が心穏やかに日々を過ごしてくれること、それがなによりもファンを安心させると、剛はきっと分かっている。彼は、誰よりも「想像」できる人だ。体調を崩していないか、食事をきちんと摂っているか……いつだって好きな人のことが心配で、気になる。それがファンというもの。このような時勢ならなおのことだ。

 そんなファンの心を察し、剛はさりげなく気を配ってくれる。毎日、毎日、友達や家族にメールを送るように、飾らない言葉で話しかけてくれる。ときには、クスッと笑わせてくれる。剛の優しさは、そういう優しさだ。

 「離れていても繋がっている」。剛はいつも、ファンにそう語りかける。こんなときでなくとも、いつだってファンのことを想っている。そう言葉にして伝えてくれる。「もっと繋がれる場所があればいいのに」。先日、剛はそんな願いを綴っていた。

 ときには、感情の機微を、彼なりの言葉で紡ぐこともある。思い巡らすのはいつだって、自分ではなく「誰か」のこと。「あなた」「みんな」「世界」「未来」、そして「愛する人」。それらに想いを馳せ、悩んだり、苦しんだりしている。ひとりよがりになることなく、大きな視点で物事を見つめている。彼は繊細だが、だからこそ、強い人だ。

 家で、誰にともなく歌いながら、歌えることの幸せを感じたとも綴っていた。形になるならないは別として、「なにか」を作る時間を大切にしている、「作っていたい」という剛。剛は今、どんな音を奏でるだろう。どんな言葉を歌うだろう。孤独も、悲しみも、嬉しいことも、好きな食べ物のことも……彼はいつだって、音楽に昇華してきた。剛ならいつか、今日の悩みも明日の憂いも、素敵なメロディにしてくれると思う。

 ちなみに4月25日オンエア予定の彼のソロラジオ『堂本剛とFashion & Music Book』(bayfm)では、新曲「CREPE」を聴かせてくれるそうだ。詳細は不明だが、ファンにとってはこの上なく嬉しいニュース。剛は自らの想像力、そして創造力をもって、言葉と音楽でファンに寄り添い続けている。

 堂本光一と堂本剛、ともに41歳。出会いから29年の月日が流れた。似ているようで似ていない。似ていないようで似ている。いつまで経っても奥深い。

 それぞれに表現は違っても、ふたりはファンの存在をいつも心のそばに置いている。いつだって大事なときには、ファンのことを想ってくれる。そんなふたりだからこそ、今日まで多くのファンが、何度となく彼らに恋して、ついてきたのだ。

 世界に明るく日が差すころには、発売延期になったファンクナンバー「KANZAI BOYA」で思いきり笑顔にさせてほしい。そんな日が来るのを、ふたりの優しさに包まれながら待っている。

■新 亜希子
アラサー&未経験でライターに転身した元医療従事者。音楽・映画メディアを中心に、インタビュー記事・コラムを執筆。
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