『D4DJ』全キャストから感じた未来への躍動 総勢20名で盛り上げた『D4 FES. -Departure-』を振り返る

 『D4DJ D4 FES. -Departure-』が、1月31日にTOKYO DOME CITY HALLにて開催された。『D4DJ』は、ブシロードによるDJをテーマに、アニメ・ゲーム・声優によるライブなどを展開するメディアミックスプロジェクト。今回のライブは、現在メンバーオーディション中予の新ユニット・Lyrical Lilyを除く、同作の全5ユニット・キャスト総勢20名が揃い踏みした初の機会に。ライブ終盤には、スマホ向けアプリゲーム『D4DJ Groovy Mix(グルミク)』が、今年秋にローンチされることも明らかになった。

 そんな同公演で印象的だったのが、『D4DJ Groovy Mix』にてプレイできる収録カバー曲のラインナップ発表時に聞こえてきた、フロアからの大きな歓声だ。『D4DJ』といえば、全ユニットがそれぞれのカラーと親和性の高い楽曲を、新規カバー曲としてライブのたびに披露している。そこで本稿では、彼女たちの歌うカバー曲に焦点を当てて、今回のライブ模様を振り返りたい。

 開幕を飾ったHappy Around!は「DAYS」を新たにカバー。そこからヒップホップ要素繋がりで、前回ライブでも披露した「ココロオドル」へとミックスしていく。またセット中盤には、メンバーがステージ上部のDJブースに乗り込み、他のメンバーとハグを交わし合うなど、まさに“パーティあるある”な光景を目撃することもできた。

 さて、この日は全ユニットとも、MCを挟まずに約20分のロングセットを披露したのだが、なかでも彼女たちのラップ歌唱パートは、一定のリズムから解き放たれて歌い回しが自由になる分、長時間の歌唱のなかで特段にアクセントとして輝いていた。ライブ全体の最後に、当日のオールキャストで歌い上げたHappy Around!のオリジナル曲「Dig Delight!」にもラップパートが用意されているだけに、Happy Around!が今後もヒップホップなサウンドを探求してくれることに期待したい。

燐舞曲

 続く燐舞曲は、人気曲「Rising Hope」を歌唱。迷いを振り払う強い意志を提示する歌詞は、彼女たちのユニットカラーとも大きく重なるところだ。また、ピアノの細い旋律からAメロに向けて徐々にボルテージを高めていくのにも、アレンジの妙が光っていた。

 カバー曲からは少し離れるが、この日が初披露の新オリジナル曲「Horizontal Oath」では、大塚紗英(月見山 渚役)が待望の歌唱にも参加。スタンドマイクを前にギターを背負いながら、彼女が時に影を感じさせて悲しみに苛まれながらも、徐々に笑顔を取り戻していく姿には、まさに燐舞曲としての精神性が描き出されているようだった。大塚のステージでの存在感は、燐舞曲がさらに“らしさ”を発揮する上で重要な要素のひとつに違いない。

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