BTSのロングヒット、ヒゲダン&King Gnuの飛躍ーー2019年チャートから考えるブレイクとCDセールスの相関性

 そのBTS『Lights / Boy With Luv』は23週連続でランクイン。2019年は特に坂道(乃木坂46、欅坂46、日向坂46)のランクインの長さも印象的でした。チャート連載で取りあげた作品の中でも、5月13日付で1位を獲得した日向坂46の『キュン』は、6週目にして1位に返り咲いています。そして、現在まで実に39週連続でランクイン。やはりチャート連載で取りあげた乃木坂46の『Sing Out!』も29週連続でランクインしており、この辺になるとリリース後ずっと200位内にいる状態です。ビッグプレイヤーがチャートに居続ける傾向が強まった1年でもありました。

 そういう状況になると気になるのが、音楽という文化の流動性が鈍くなっているのではないか、という点です。しかし、Uru、ヨルシカのようなネットカルチャーから巣立ったアーティストの活躍が目立った年でもありました。次代の潮流は、きっと今もどこかで蠢いているのです。それを見逃さないようにしたい、と考える2019年の終わりです。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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