『G-NEXT』インタビュー:The Songbards 『CHOOSE LIFE』制作を経た今後の展望

The Songbards『G-NEXT』インタビュー

 動画配信サービス「GYAO」、ストリーミングサービス「AWA」、音楽情報サイト「Real Sound」の3媒体でのフォローアップのもと、日本工学院専門学校の学生がアーティストインタビューを行う、ネクストブレイクアーティストをプッシュするコラボレーション企画『G-NEXT』。

 今回の選出アーティストは、11月20日に記念すべきメジャーデビュー作品となった1stフルアルバム『CHOOSE LIFE』を発売した、4ピースバンド・The Songbards。「人生は選択できる」と掲げられた今作品。暗い道を照らし出すような彼らの音楽性の根源にあるものとは一体何なのか? 彼らの放つバンドアンサンブルの独自性、これから進む道、そして自身にとって音楽の存在とは何なのか? ――メンバー4人にたっぷりと語ってもらった。

より体が自然に動くようなリズム作りがしたい

ーー前作の『The Places』(2018年10月リリース/5曲入りミニアルバム)はエンジニアおよび共同プロデューサーに古賀健一さんを迎えての制作でしたが、今作はどのように進めていったのでしょうか?

松原有志(以下、松原):今回は、エンジニアを3人の方にお願いしていて、先ほどの古賀さんもそのうちのおひとりなんですけど。その3人と3ヵ月間一緒に制作をしていって。最終的なマスタリングはひとりの方にお願いして完成しました。

松原有志

ーー一緒に作業をしていくなかで、作風への影響はありましたか?

松原:もともと『The Places』で古賀さんにエンジニアをやってもらったこと自体が、まだまだ経験の浅い僕らにとってはレコーディングの土台なんですよね。その僕たちの土台が他のエンジニアさんにもどのくらい通用するのかなと思って臨んだんですけど、結果、適用したところも多くて。あと、お三方からは歌詞の面や、音楽を作る面ですごくアドバイスをいただきました。この方たちがいたからこそ、こういう楽曲に仕上がったというのはすごくありますね。

ーー今は全曲の作詞、作曲を上野さんと松原さんがしているんですよね。以前The Beatlesのように、歌詞を全員で考えるような曲作りがしたいと話していたのを記事で拝見しました。今作ではその制作環境に近づけましたか?

松原:今の段階ではこの2人以上になると出来る気がしないというか。2人で作ることでも今までだいぶ失敗してて、『The Places』くらいからようやく形になってきたかなという感じですね。これからもっと成長したら、3人で歌詞を書いたりとか、リズム隊の2人で歌詞を書いたりとか、そこは柔軟にいこうかなと思っています。

ーーちなみに、歌詞はどのようにして言葉を当てはめていくのでしょうか?

上野皓平(以下、上野):聴いたときにメロディと相まって、ちゃんと情景が浮かぶような歌詞にしたいなとは思っています。最終的に少しでもポジティブな方向で、聴いていて多少なりとも救われて欲しいというか。生きていくために役立ててほしい気持ちはあります。

上野皓平

松原:おこがましく何かひとつの答えを提示できる人間ではまだ無いし、アーティスト側が提示する歌詞が具体的すぎると、ひとつの解釈しかできないと思うので。良くも悪くも歌詞を抽象的にして、色々な捉え方ができるようにしたいと思っています。

ーーそれは今作のタイトルにも表れていますよね。

松原:そうですね。『CHOOSE LIFE』というタイトルはレコーディングの終盤で決まって。いろんな曲調の曲が入っているので、1人の人間の様々な時期を迎える人生のように聴こえたら面白いかなと思って、このタイトルに決めました。

ーーそれらを踏まえたうえで、演奏面で意識をしたことはありましたか?

岩田栄秀(以下、岩田):前から歌をサポートしたり、寄り添うような演奏がしたいと思っていて。今後の目標としては、そのうえでもっと遊びを入れたりとか、ドラムのトラックから曲を作ったりできればいいな、と思っています。

岩田栄秀

ーー去年の8月にはイギリスのフェス『International Beatle Week』に出演され、他にも多くのイベントに名を連ねていましたが、そこから得た経験は今作に反映されていますか?

柴田淳史(以下、柴田):前作の『The Places』は、イギリスに行く前に曲を作ったので、イギリスでライブをして得たことは反映されていなくて。得たものの感覚を曲にしたのは今作が初めてでした。イギリスは日本と比べるとお客さんの反応がすごくダイレクトで、自分たちがいい演奏ができたと思う瞬間にお客さんも盛り上がってくれて。自分たちが思っていた感性は間違いじゃなかったんだなと、自信につながりましたね。その自信が今作にも反映されていると思います。

柴田淳史

松原:今の補足になってしまうんですけど。イギリスの人も日本の人も同じ人間ではあるので、きっと感情はライブ中に変わっていくと思うんですよ。それを表現するか/しないかっていう、本当にそれだけの理由で。でも、いつかは僕たちももっと自由にライブの空間を使えるようになっていかないといけないと思うので、イギリスで見れた景色を日本でも見れるように頑張っていきたいと思います。

岩田:僕らも責任を持って、衝動的により体が自然に動くようなリズム作りがしたいなと思いました。今回は前作よりアンサンブルの兼ね合いも、より洋楽っぽくなるようにみんなで意見を出し合いました。

ーー今後の活動は海外も視野に入れていますか?

松原:いや、まだ視野に入れてないですね。やっぱ日本語で歌っているので。必ずイギリスでライブをしたいというわけではないです。単純な好奇心としてでしたら、東南アジア、中国、韓国とかはバンドも流行っているので、そういうところで僕たちの音楽を聴きたいと思ってくれる人が増えたら行きたいですね。でも、日本語という歌詞の形態は、今後もおそらく変わらないと思います。

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