「12 Sweet Stories」第7弾リリース「LOVE and CRY」インタビュー
FUKI、リアルな恋愛観を表現した“お揃い”の一曲 「LOVE and CRY」インタビュー
恋愛にまつわる記念日を毎月ピックアップし、そこに寄り添ったラブソングを12カ月連続で配信リリースしていくという、女性アーティスト初となるプロジェクト「12 Sweet Stories」を展開中のFUKI。第7弾となる「LOVE and CRY」は、“お揃いの日”にインスパイアを受けて制作した楽曲で、11月11日に配信リリースされた。今回の楽曲は女子高生とのトークセッションで得た恋愛観を基にしたものになっており、リアルな思いが詰まったものになりつつも、多くのリスナーに届く一曲となっている。(編集部)
楽曲により確信が持てるようになった
ーー「12 Sweet Stories」の第7弾楽曲「LOVE and CRY」の配信がスタートしました。
FUKI:今回は11月11日“お揃いの日”とのコラボです。“1”が並んでいる日なので、お揃いってことですね。
ーー楽曲を作るにあたって、現役女子高生とのトークセッションを行ったそうですね。
FUKI:そうなんですよ。一昨年の同じくらいの時期に、女子大生とトークセッションをしたことがあって。それがきっかけでできたのが「思い出になる前に -Silent Holy Night-」(2017年12月配信リリース)なんですけど、その時の経験がすごく刺激的だったんですよね。で、いつかもう一回やってみたいなと思っていたところ、じゃまた冬の時期がいいんじゃないかってことになって今回実現したっていう。冬と言えばやっぱりラブソングだと思うので、若い世代の意見を聞いてから作りたいなと。
ーー今回も刺激を得ることができましたか。
FUKI:はい。基本的に作詞も含めた曲作りは1人でやっているし、話すとしてもプロデューサーであるEIGOさんくらいですからね。だから新鮮な空気を感じることがまず楽しくて。あと、以前の女子大生も今回の女子高生もそうだったんですけど、根本的な考え方はあまり変わらないなっていう印象があったんですよ。それがすごく大きな刺激になりました。自分の恋愛に対する思いや、それを反映して作る楽曲に、より確信が持てるようになったというか。
ーー普通に考えると、ジェネレーションギャップはあってしかるべきですもんね。
FUKI:そうそう。女子大生はまだ近い感覚かなとは思っていたけど、女子高生は年齢的にもだいぶ離れているし、考え方が全然違うんだろうなって。普段、女子高生と話す機会がまったくないから、そもそも会話すら成り立たないんじゃないか、みたいな(笑)。でも実際は友達と話すような感覚で普通にコミュニケーションが取れましたね。
ーー女子高生とはどんな話をしたんですか?
FUKI:基本は恋バナですね。みんなでキャピキャピ話せて楽しかった(笑)。なんかね、女子大生は告白をLINEでするって話していたんですけど、今の女子高生は一周まわってLINEでは告白できないそうなんですよ。文字だけだと“ウソ告”を疑われたりするから、絶対に直接言うって。「あー私の知ってるスタイルに帰ってきたー!」って思いましたね。女子高生ってもっとやさぐれてるのかと勝手に思ってたけど(笑)、いやいや全然ピュアなんだなって。
ーーちゃんと好きな人に対して真っ直ぐ向き合っているんですね。
FUKI:そうだと思います。しかもね、同級生を好きになると距離が近い分、大人よりもさらにツライんだと思うんですよ。毎日クラスで自動的に会っちゃうわけですから。そりゃ当然、1日中考えちゃうだろうし、「他の子と話してる。ムカつく」みたいなことも起きがちだよなあって。確かに私も学生時代はそうだったなって思い出せたので、そこに関してはかなり曲作りの参考になりましたね。
ーートークセッションで受け取ったものを、具体的にはどう楽曲に落とし込んでいったんですか?
FUKI:片想いで悶々としているときにはせつない曲を聴きたくなるとも言っていたので、方向性としてはやっぱりそっちだろうと。“お揃いの日”っていうとハッピーな雰囲気を想像しがちだけど、私はハッピーな曲を作るのがあまり得意ではないんです。だから女子高生の意見に背中を押してもらったところがありましたね。私が好きな、得意なアプローチで攻めてもいいんだなって。いつも曲の方向性を決めるまでにけっこう時間がかかってしまうんですけど、今回はそこがスムーズに固まったのが良かったですね。で、相手のことを思い続けて泣いている姿をイメージして、まず「LOVE and CRY」というタイトルを決め、その後に自分を青春時代の頃まで引き戻しながら歌詞を書いていきました。「もし同じクラスに好きな人がいたら……」って想像しながら。
ーー“お揃い”というテーマの盛り込み方がいいですよね。この主人公は片想いだから当然好きな人と“お揃い”ではないわけで。
FUKI:そうそう。例えば向こうから好きと言ってくれる人と付き合えば、すぐに“お揃い”が手に入って幸せになれるかもしれない。そこで気持ちがグラついたりもするんだけど、でもやっぱりそうじゃないと。片想いであっても、君のほうがいいんだよっていう。そこらへんは、「自分にもそういう経験があったなー」って思い出しつつ書きました(笑)。ここで描かれてる感情はほんとにせつないものなんだけど、そういう叶わない恋のほうが記憶に強く残ったりするし、逆にキラキラしたロマンチックな恋に感じたりもするんですよね。
ーー学生時代の恋をイメージしたとのことですが、この歌詞は大人にもちゃんと当てはまりますよね。そういう書き方は意識されたんですか?
FUKI:あまり子供っぽい感じにならないようには意識しました。でもシチュエーションとしては学校の中をイメージしていたので、そういう受け取り方をしていただけたのはすごくうれしいです。いろんな年代の方々に刺さったらいいな。ちなみに歌詞の中では、サビにあるフレーズ〈その体温感じたいよ〉の部分が自分的にかなりお気に入りです(笑)。