嵐、A.B.C-Z、ジャニーズWEST、Hey! Say! JUMP、Kis-My-Ft2……キラーチューン揃った9～11月新作

Hey! Say! JUMP『PARADE』

　7枚目のフルアルバムとなったHey! Say! JUMPの最新作『PARADE』。「ファンファーレ！」「COSMIC☆HUMAN」などドラマ主題歌として注目を集めたシングル楽曲も数多くラインナップされているアルバムでありながら、全体としてはコンセプチュアルな仕上がりだ。

　幕開けを飾る「ミラクルワンダーマジック」のミクスチャーサウンドや、リードトラック「獣と薔薇」の妖しくセクシーな雰囲気とコアな音楽ファンの耳にも新鮮なトラックの作り込みに眩暈がするほどワクワクさせられる。

　今作でHey! Say! JUMPは“夢と妖かし”をテーマにこれまで見せたことのない表情の数々を見せている。楽曲ごとにくるくると表情を変える彼らの姿は、楽しいだけでもセクシーなだけでもクールなだけでもない魅力に溢れ、つかみどころがなく、それでいて独特の幸福感に包まれている。もしかしたらHey! Say! JUMPこそが夢の世界からの使者なのか？　妖かしか？　はたまた宇宙人？　そんな不思議な気持ちにさせてもらえる、きらびやかでチャーミングな百鬼夜行の全14曲だ。

Kis-My-Ft2『Edge of Days』

　Kis-My-Ft2の最新シングル曲は、北山宏光主演ドラマ『ミリオンジョー』（テレビ東京系）の主題歌「Edge of Days」。トランプを使ったクールな振り付けが印象的なMVも話題となった同曲は、これまでセクシーでダンサブルな楽曲やリリカルなラブソングが多かったKis-My-Ft2としては異彩を放つ、スタイリッシュでパワフルなメッセージソングとなっている。

　ヘビーなシンセサイザーが身体に響くイントロから、メンバーの美しく溶け合ったユニゾンが彩るサビへと流れていく展開には脱帽。大サビ前の藤ヶ谷太輔のロングトーンと北山の柔らかなソロボーカルが、大サビの暁光が差し込むような清々しいカタルシス感をより際立たせる。

　これまでにないほどにメッセージ性の高いダンスナンバーとなった今作は、Kis-My-Ft2の大人のアイドルとしての懐の深さや意志の強さ、そしてメンバーそれぞれの歌声の色気を今までにないほど引き出した、全く新しいキラーチューンと言って過言ではないだろう。

　Kis-My-Ft2の念願の『NHK紅白歌合戦』初出場や、嵐の全シングルストリーミング配信開始・SNSアカウントの開設など、ファンにとって嬉しいニュースが立て続けに飛び込んできたジャニーズシーン。来年にはSnow ManとSixTONESのデビューもあり、新年早々私たちの耳や目を楽しませてくれそうだ。

■五十嵐文章（いがらし ふみあき）
音楽ライター。主に邦楽ロックについて関心が強く、「rockinon. com」「UtaTen」などの音楽情報メディアにレビュー/ライブレポート/コラムなどを掲載。noteにて個人の趣味全開のエッセイなども執筆中。ジャニーズでは嵐が好き。
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