スカパラ、斉藤和義、KIRINJI、GLIM SPANKY、THE CHARM PARK……独創的スタイルをポップスに昇華した最新作
昨年5月に日本武道館公演を成功させ、今年の春には4thアルバム『LOOKING FOR THE MAGIC』を携えた全27公演の全国ツアーを開催。夏にはフジロックフェスティバルのGREEN STAGE(メインステージ)で堂々たるパフォーマンスを繰り広げるなど、いまや日本を代表するロックアーティストの1組となったGLIM SPANKYのニューシングル『ストーリーの先に』(テレビ朝日系ドラマ『Re:フォロワー』主題歌)はサイケデリックかつブルージーな音像を、現代的なポップサウンドに結びつけるプロダクションが光るミディアムチューン。ゆっくりと少しずつ高揚感を増していくメロディ、最後まで抑制を効かしたボーカル(中低域の歌声の響きが素晴らしい)など、自らの個性もしっかりと根付いている。コアなロックファンと一幅広いJ-POPリスナーの両方にアピールできる間口の広さもこの曲の魅力だろう。
ギターロック、EDM、R&B、ヒップホップなどの多彩な音楽要素をマッシュアップさせたサウンド、高度な音楽理論に裏打ちされたソングライティング、英語と日本語を自然に共存させたボーカルによって、次世代のポップマエストロと称されるTHE CHARM PARK(シンガーソングライターのCharmによるソロプロジェクト)。ASIAN KUNG-FU GENERATION、登坂広臣、V6などの楽曲提供も行っている彼の新作『Reverse & Rebirth』は、2014年に自主制作で発表した同名アルバムの収録曲をリビルドした作品。楽曲の骨格をそのまま残し、アレンジと音像をアップデートさせた本作には、ソングライターとしての資質とトラックメイカー/プロデューサーとしてのセンスがバランスよく反映されている。音楽偏差値の高さとわかりやすさが一つになった、ポップミュージックの理想形だ。
■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。