THE CHARM PARK、kiki vivi lily、秋山黄色……12回目のSpotifyイベントをレポート

 音楽ストリーミングサービス・Spotifyが主催するライブイベント『Spotify Early Noise Night #12』が、9月13日に大阪・心斎橋Music Club JANUSにて開催された。東京と大阪開催の同イベントも今回で12回目。大阪のみでいうと3回目の開催となるわけだが、今回もSpotifyが最も注目する新進アーティスト6組が集結することとなった。

 トップバッターを飾ったのはMonaとHinaの姉妹によるピアノ連弾のボーカルユニットKitri。お揃いの赤いドレスを身にまとった2人は、薄暗いステージの中、ゆっくりと登場する。そのままピアノの前に隣り合って座ると、早速ピアノを弾き始め、会場の空気を一気に変えた。この日、最初に披露された歌は「LIFE」。ダークなピアノの旋律から始まるこの歌で、早速会場は釘付けになってしまう。「LIFE」が終わると、すぐさまHinaだけが移動してギターを背負う。先ほどと違う形態で披露されたのは「矛盾律」。ここでも2人の息のあった歌と楽器のハーモニを見せつけて、観客を魅了する。一方、演奏が終わり、MCに入るとさきほどの空気とは一変、終始穏やかなトーンで淡々と言葉を紡いでいき、不思議な空気の中で進んでいくマイペースなMCに、会場も優しい笑みが溢れる。最後には2人ともピアノの前に座り、連弾形式で「羅針鳥」を演奏。イベントの頭から、大きな拍手が生まれる素晴らしいライブを披露した。

Kitri

 続いて登場したのは秋山黄色。Kitriとは打って変わって、爆音のギターが印象的となった秋山黄色のアクト。この日はギター、ベース、ドラムという3人のバンド体制で楽曲を披露することになった。MCでは「自分だけ少し毛色が違うかもしれない」と述べていたが、そんなもの関係なしだと言わんばかりに、パワフルな演奏で次々とキラーチューンを披露していく。特に盛り上がりを見せたのは、最後に披露された「猿上がりシティーポップ」。今日披露する歌は4曲のみだったが、それでも満足できるようなライブにすると誓ってから披露されたこの歌では、文字通り最初から秋山はアクセルを全開に。もはや叫び声に似たエモーショナルな歌声で、高らかにサビを歌い上げた。そんな秋山の衝動に呼応するかのように、右手の拳を突き上げる観客の姿も無数に確認でき、この日一番の“熱さ”を伝えるステージを繰り広げた。

秋山黄色

 3番手で登場したのは徳島出身、現役芸大生で18歳のシンガーソングライターであるMaica_n。熟達したバックバンドを引き連れて最初に披露したのは、軽妙なポップナンバーの「秘密」。瑞々しい歌声と、堂々としたパフォーマンスは18歳とは思えない完成度で、観客も安心して身を預けるように音楽に合わせて身体を動かしていく。「Hanakoさん」「タバコと私」はしっとりとしたムードの中で楽曲が披露されて、言葉を噛みしめるように歌うMaica_nの姿とその歌の世界に引き込まれていく。MCを挟んで最後に披露されたのは「Dance With Me」。踊ることを促すようなこの歌では、観客もタイトル通りに、ダンスをするかのように、各々が好きなように身体を動かして、音楽と戯れていく。イベントのコンセプトにもあるように、まさしく次世代の躍進を予感させるステージとなった。

Maica_n

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