0.1gの誤算がZepp DiverCityで繰り広げた、圧巻のパフォーマンス 緑川裕宇バースデーライブレポ
2016年の始動以降、凄まじい勢いで注目を集めている0.1gの誤算(通称:誤算)。近隣県から来場したオーディエンスにキャッシュバックをする『【Zepp DC】47都道府県民割引ツアー【攻略祈願】』や、大規模なサーキットイベントが開催されている近隣のライブハウスで1日4回の無料公演を実施するなど、様々な趣向を凝らしたライブコンセプトや、今年に入ってからは『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)『有吉ジャポン』(TBS系)といったバラエティ番組に立て続けに登場したほかNHKドラマ10『これは経費で落ちません!』に出演するなど、さまざまな形で話題を振りまき続けている。
そんな0.1gの誤算が、8月22日、Zepp DiverCityにて『-改・鬼畜企画- Tour Final 「俺達の前に道はない、俺達の後ろに道はできる」 〜緑川裕宇Birthday〜』を開催した。彼らが同会場でワンマンライブを行なうのは、これで3度目。この日はボーカルである緑川裕宇の誕生日ということもあり、(自分が)「やりたいことをやりたい放題やる日」と本人がMCで話していたが、その宣言通り、演奏時間が3時間を超える(!)、圧巻のライブを繰り広げた。
1曲目の「男闘魂戦争卍燃えよ誤算光殺砲卍」から気合い全開で駆け出していく5人。そこからなだれ込んだ「誤算節」では、「俺達は対バンでのし上がってここまで来た! まずはあの熱いぶつかり合いで攻めていいですか!」と叫ぶ緑川。すると、ステージ中央からせり出した花道を走り、“緑川ステージ”と名付けられたサブステージへ。しかし、それだけでは飽き足らず、そのままフロアに降りてオーディエンス達と暴れ回る。アイドルや歌い手など、異ジャンルの演者が出演するイベントに参加したり、ショッピングモールで無料ライブを行なったりと、様々な現場に立っているだけあって、誤算のフロアは、年齢、性別、趣味嗜好が異なる観客が集まっている。「暴れなきゃいけないゾーン」「暴れないゾーン」「フリースタイルゾーン」「マイペースゾーン」「ちびっこゾーン」と、来場者のニーズに合うスペースが用意されているのも、彼らのライブの特徴だ。それぞれが自分の好きなように楽しみつつも、ステージとフロア全体のコミュニケーションは途切れることなく続き、瞬く間に熱狂を巻き起こしていく。そして、「21gの感傷」で早くも場内の熱気がピークに達しそうな中、いきなり「ラストいけるか!」と緑川が叫び、「【S】0723【終焉】」に突入。ベースの眞崎大輔を皮切りに、ギターの河村友雪、水田魔梨、そしてドラムの神崎流空と、各メンバーのソロ回しも交えつつ、曲を終えると早くも5人はステージを降りて、場内が暗転。後のMCで緑川が話していたが、この日は「ひねくれたセットリストを組もうと思っていた」ということもあり、本編で披露されたのは、なんとたったの4曲。ここから本編以上に長いアンコールがスタートした。
アンコールは、9月10日にリリースされる新曲「絶望メンブレガール」からスタート。この曲は、彼らの代表曲である「有害メンヘラドール」「溺愛ヤンデレボーイ」に続くシリーズ第3弾で、キラキラとしていて可愛らしいアイドルポップス然としたオープニングから、突如ダークで凶暴なバンドサウンドを轟かせつつ、そこからもめまぐるしい展開を繰り広げていくアップチューンだ。彼らがシングルとして打ち出す曲は、とにかくハードで高速、かつ情報量が多いこともあり、“ボーカロイド以降の流れを汲んだラウドロック”として位置付けられるもの。それらを矢継ぎ早に繰り出していき、凄まじい興奮を生み出していく。