安室奈美恵、ちゃんみな、崎山つばさ……DA PUMPメンバーが手掛けた振付の特徴
安室奈美恵、ちゃんみな
振付仕事に関するインタビューの中でKENZOは「僕はバレエからストリートまでダンスはオールジャンル素晴らしいものだと思っています。だから、ダンサーとしての自分のスタイルとはまったく違う振り付けも創作できるんです。今のユーザーは振り付けに両極端なものを求めていますよね。歌って踊れるアーティストなら突き抜けた超絶テクを驚きと絶賛を交えながら見たい。キャッチーな振り付けなら自分でも踊ってみたい、という。その両方に応えられるのが、振付師としての自分の強みだと思っています」(参照:ORICON NEWS)と語っている。以前に事務所の仲間でもあるw-inds.の千葉涼平が「日本でKENZOみたいに器用なダンサーはそれほど多くないと思います」(参照:千葉涼平(w-inds.)×KENZO(DA PUMP)特別対談「ダンスの魅力に触れやすい時代に」)と評していたが、振付におけるセンスはダンサー、インストラクターとして国内外で重ねてきたキャリアがなせるバランス感覚の賜物といえる。
現在は、国内だけでも数多くのダンス&ボーカルグループが活躍しており、メンバー自らが楽曲の振付を行うケースは決して珍しくない。そのメリットとしてはグループの各メンバーのスキルや得意分野に合わせたパート分けや、歌やラップの有無などライブパフォーマンス時を想定して見せ方をアレンジすることができるということだ。KENZOをはじめとするDA PUMPのメンバーの場合は国内外でキャリアを積んだダンサーであり、インストラクターとしても実績があることに加え、自ら現役アーティストとして活動しているからこそ、振付師としても外部のアーティストに求められているものを的確に表現できる=振付における主観性と客観性を両立している、という点が最大の強みといえるだろう。
前述のように、この9~10月だけでもメンバーが振付にかかわった作品が複数リリース&公開されるほか、10月19日からは全国ツアー『LIVE DA PUMP TOUR 2019』もスタートさせるDA PUMP。その振付の妙にも注目しつつ、彼らが繰り出すエンターテインメントを楽しみたい。
■古知屋ジュン
沖縄県出身。歌って踊るアーティストをリスペクトするライター/編集者。『ヘドバン』編集を経て、『月刊ローチケHMV』『エキサイトBit』などで音楽/舞台/アートなど幅広い分野について執筆中。