新しい地図 香取慎吾、『スッキリ』生出演 パラリンピック/パラスポーツ応援の歩みを振り返る
それまで当たり前のようにできることが、できなくなること。喪失感でいっぱいの暗闇に差す「これを頑張ろう」という希望の光。それは今、自分にできることを精一杯取り組むという、シンプルな姿勢。もしかしたら、そのときの香取とパラスポーツに汗を流すすべてのアスリートたちとは、共鳴するものがあるのではないだろうか。
まだまだ日本では、どこか遠慮がちになってしまう、障がい者と健常者のコミュニケーション。その壁を作っているのは「知らない」ということだけなのだと、香取がパラスポーツの現場を取材するたびに教えてくれた。実際にパラスポーツを体験する機会は、今もまだ少ないが、香取がパラスポーツを体験し、伝えることで私たちも疑似体験することができる。こんなにも面白いものなのかと、ワクワクが伝播するのだ。
「僕は今までずっと、たくさんの人に支えられてきた。だから、自分を通してみんなにもパラスポーツを知ってもらって、もっと関心を持つ人が増えて欲しい。支えられてきた僕が、今度は誰かの力になる番だと思う。恩返しの再スタートなのです」
生きていれば、何かしらの壁にぶつかる瞬間がある。それを「人生の絶望」と思うか、「人生二度おいしい」と言えるか。香取とパラスポーツ選手たちの語らいからは、ハッとするような言葉が飛び出す。そんなホンネを引き出せるのは、「みんなの慎吾ちゃん」ならではかもしれない。
絶望に打ちひしがれても、不安で足がすくんでも、できることから自分なりに頑張れば、きっと世界は捨てたもんじゃないと思える瞬間がくる。そんなふうに思わせてくれるのが、香取が伝えるパラスポーツなのだ。ぜひ今日の出演を機に、より多くのテレビ番組に香取が出演し、魅力を伝えてくれることを願ってやまない。こんな面白いパラスポーツの祭典が、日本で行なわれるのに「知らない」ままなんて、もったいないではないか。
(文=佐藤結衣)