カラオケからも広がるボカロの名曲たち バルーン「シャルル」ロングヒットから読む

 また、ボーカロイドはもともと、人が歌わずとも歌モノ作品を作れるというのが大きな利点のひとつであった。それによって実際の人間では歌えないような難解なメロディさえも作品化できるのである。しかし、今回の結果はボカロシーンからも”歌いやすい”あるいは”歌いたくなる”曲が生まれるということを端的に示している。そして、それは他のJ-POPの定番曲を押し退けるほど大きな支持を得ているのだ。

 「シャルル」以降、”歌う”ためのボカロ曲が増えていっても不思議ではない。今はまだすでにある人気が先立った状態でカラオケがそれを共有できる場として機能しているようだが、今後はカラオケが火種となってネットシーンの楽曲に火が点き、日本中で歌われる名曲が生まれていくこともあるかもしれない。

■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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Twitter(@az_ogi)

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