草彅剛、優しく柔軟な人柄が運ぶ“愛しい場所”との出会い 愛媛、春日部、韓国……NAKAMAに伝播する喜びの連鎖

 草彅剛が、5月17日に愛媛県で60年ぶりに開催される『第76回全国植樹祭 えひめ2026』に、ストーリーテラーとして出演する。天皇皇后両陛下によるお手植え/お手播きのほか、草彅が進行役を務める式典アトラクションでは、県民参加型の「明日の森林へ贈る愛レタープロジェクト」が大きな見どころとなる。

 草彅は出演に先駆けて、「今も元気な自分でいられるのは愛媛のおかげだと思っております」とコメント(※1)。2歳ごろまで祖父母の家がある愛媛県今治市に住み、それ以降も夏休みのたびに遊びに来ていたと幼少期の思い出を明かした。

 これまでも愛媛生まれであることに度々触れてきた草彅。2021年7月に投稿されたYouTube動画『草彅剛の地元・愛媛の特産品!超本格みかんジュース10種類がすごすきた!!』では、タイトルにある通り10種類のみかんジュースのなかから、草彅が好きだという“せとか”を1発で当ててみせたこともあった。草彅が出身地への思いを語るたびに印象的なのは、自分を形作った場所として大切にしているそのスタンスだ。

草彅剛の地元・愛媛の特産品!超本格みかんジュース10種類がすごすきた!!

 振り返ってみれば、愛媛のほかにも草彅には“ゆかりの地”がいくつも思い浮かぶ。愛媛から引っ越した先の埼玉県春日部市。春日部は、草彅剛の“ストイックさ”を象徴する場所でもある。その印象を強くファンのあいだに定着させたのが、高校3年間の無遅刻無欠席エピソードだ。仕事と学業の両立を考えて堀越高等学校の芸能コースに進学したが、本人曰く当時は「仕事がない」状態だったようで、春日部の自宅から東京都中野区にある堀越高等学校までおよそ2時間かけて通学。SMAPとして活動しながらも“堀越賞”と呼ばれる皆勤賞を受賞した。

 やると決めたら最後までやり切る常人離れしたストイックさ。高校3年間の無遅刻無欠席エピソードは、そんな草彅剛のキャラクターを象徴する伝説として語り継がれてきた。その積み重ねが、“春日部育ち”というイメージを強く印象づけているように思う。

 また、帰る方向が一緒だったという元SMAPメンバー・森且行の無茶振りによって、乗り換えで使っていた北千住駅のホームでバク転をしたという都市伝説のような逸話が披露されたこともあった。テレビのなかで活躍するスターの姿と同時に、街中にまぎれていたころのヤンチャな少年のイメージができるのも、草彅ならではの存在感だ。

 2019年9月にポストされたXの投稿では、「我が故郷!春日部ーにゃ! 到着!控え室。歓迎していただき ありがとうこざいます!」(※2)と映画『台風家族』の舞台挨拶で、イオンシネマ春日部に訪れたことでも話題になった。それほどまでに“春日部育ち”の印象が強い一方で、実際に草彅がその地を訪れる機会はどこかめずらしく感じられる。だからこそ、この投稿はファンのあいだでも印象深く受け止められた。

 同じく春日部市出身であるビビる大木とは、幼稚園から中学校までずっと同じ。一緒に野球チームにも入り、白球を追いかけた仲だという。だが、地元の母校で講演活動をするビビる大木に対して、「(母校には)1回も行ったことないです」と香取慎吾とのラジオ『ShinTsuyo POWER SPLASH』(bayfm/2021年1月17日放送回)で話していた草彅。それでも一つひとつのエピソードが鮮明だからだろうか。私たちの心に、草彅にとって大切な場所の記憶が次々と残り続けるから不思議だ。

 そんな愛着のある土地は、国内にとどまらない。韓国は、草彅にとって“世界を広げた土地”と言っていい場所だ。2001年に韓国語を使った冠番組『チョナン・カン』(フジテレビ系)をスタートさせた草彅。そのきっかけは、韓国の映像作品を観た草彅本人が「韓国で番組がやりたい」とひらめいたことだったというから驚かされる。放送作家の鈴木おさむの「いちばん最初から剛が韓国語がペラペラという設定に」という一声で猛勉強を開始。収録中に日本語か韓国語かわからなくなってしまうほど夢中になったというのも、また草彅らしいエピソードだ。

 ソウル市内でのロケも多数行われ、イ・ビョンホン、ウォンビン、イ・ヨンエ、ソン・イェジン、ソン・ガンホなど、数々の韓国人俳優へのインタビューも担当。チャ・スンウォンとは“義兄弟”と呼び合うほど親交を深めていった。その人選も、草彅が意見を出し、自ら聞きたいことを質問にしていたという。番組は、2001年4月から2010年3月まで放送され、現在に続く日韓交流の大きな一歩となった。

 その後も草彅と韓国の縁は途切れることなく、2018年3月のドキュメンタリー番組『草彅剛の“ニュースな街に住んでみた!”韓国・ソウル』(NHK総合)では小さなアパートを借りて、実際に暮らすという展開も。「スタッフは近くのホテルに泊まり、一つ屋根の下で暮らすのは本当に二人だけ」(※3)とは、草彅とともにアパートで暮らしたジャーナリスト・柳澤秀夫による連載で綴られていたこと。芸能界のスターから、下町に住む市井の人々との交流まで、周囲が想定するよりもずっと深く知っていく。その機会が自然と巡ってくるのは、それらを柔軟に受け入れる草彅の人柄ゆえだろう。

 最近では、『草彅やすともの うさぎとかめ』(読売テレビ)や連続テレビ小説『ブギウギ』(NHK総合)を通じて、関西圏との縁もより深まっている。なかでも大阪は、これから先の草彅を語るうえで欠かせない土地になっていくのかもしれない。きっとそうして、また新たな自分と出会った場所が増えていく。草彅を通じて、NAKAMAにとっても大切な場所が増えていくのもまた嬉しい連鎖だ。

 5月7日には、草彅に新たな家族が誕生したという、おめでたいニュースが飛び込んできた。きっとまた大きな人生の岐路を迎えたことによって、新たな縁に恵まれていくのだろう。これからも草彅にとって愛しい場所がさらに広がっていく様を見届けながら、一緒に世界を楽しんでいきたい。

※1:https://www.youtube.com/watch?v=boIWgtYs3_k
※2:https://x.com/ksngtysofficial/status/1170268284509290497
※3:https://note.com/asahi_books/n/n50fe2efee434

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