Ado、Mrs. GREEN APPLE、幾田りら、緑黄色社会……『今日、好きになりました。』を彩る、恋と青春の歌
2017年から続く恋愛リアリティショー番組『今日、好きになりました。』(ABEMA/以下、『今日好き』)。現役高校生たちが限られた時間のなかで行う本気の告白と成立までの過程を追いかける『今日好き』は、これまで全78弾のシリーズが放送されており、数多ある恋愛リアリティショーのなかでも人気の高いプログラムのひとつだ。その9年にも及ぶ『今日好き』の歴史のなかで多くの主題歌、挿入歌が高校生たちの恋愛模様を彩り、その背中を押してきた。本稿では『今日好き』の主題歌の変遷の一部を振り返ろうと思う。
今の日本の音楽シーンにおいて圧倒的な人気を誇るMrs. GREEN APPLEも『今日好き』の主題歌を担当していた。第43弾「初虹編」から主題歌を担ったのは「ブルーアンビエンス (feat.asmi)」。〈気触(かぶ)れた恋でも/憧れ損でも/この道を歩いていたいんだ〉という歌詞は、子どもでも大人でもない10代の少年少女たちが自らが歩む道を選びぬく葛藤と覚悟を表しており、恋愛というテーマにとらわれず多面的にティーンエイジャーの在り様を落とし込んだ楽曲と言えるだろう。「青と夏」や「ライラック」など、Mrs. GREEN APPLEの青春ソングの変遷を辿るなかでも、この「ブルーアンビエンス (feat.asmi)」は甘酸っぱさの滲む名曲だ。
第64弾「夏休み編2024」からの主題歌は緑黄色社会「恥ずかしいか青春は」。タイトルの通り『今日好き』における恋愛面よりもむしろ青春性に強くフォーカスする本楽曲は、〈恥ずかしいか青春は/馬鹿らしいか真剣は/僕ら全力でやってんだ〉と、たとえ恥ずかしさを抱えたとしても青春をありのままに楽しめという緑黄色社会からのメッセージが込められている。緑黄色社会は10代限定の音楽フェス『閃光ライオット』に出場し、準グランプリを獲得したことがデビューの契機となったバンドであり、ほかでもない彼女たち自身が青春時代に全力で音楽と向き合ってきた。そんな緑黄色社会が歌うからこそ〈恥ずかしいか青春は〉というフレーズが10代に説得力をもって響くのであり、全力で恋をしようとする高校生たちの姿にも共鳴するのだ。
第70弾「ニュージーランド編」から主題歌を担当したのはYOASOBIのikuraとしても活躍する幾田りら。主題歌となった「恋風」は、2025年の『第76回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)でも披露された楽曲だ。ギターのアルペジオと幾田の歌声があたたかくやわらかな空気を作り出す「恋風」は、純粋無垢な恋をまっすぐに描く。ストーリー仕立てで構成された歌詞では、失恋で恋ができなくなった主人公が新たに踏み出し、深く恋に落ちていく物語が描かれる。青々とした恋愛ソングという点において『今日好き』はもちろん、普遍的な恋愛模様にも合致し、リスナーの心を突き動かしているのだ。
今年4月から放送の新シリーズ「クライストチャーチ編」の主題歌は、Adoの「春に舞う」。5月12日に配信リリースされた同曲は、きらめくようなストリングを軸とするサウンドが印象的な1曲で、これまでのAdoらしさを更新するような曲に仕上がっている。〈答えを探すたびに/ほんのり 君の香りがするの〉は、恋に落ちたことのある者であれば誰しも共感できるフレーズだろう。
『今日、好きになりました。』を彩ってきた主題歌は、どれも番組にとどまらず普遍的な10代、ひいては大人たちが経験してきた恋愛観や青春性を内包している。そして、『今日好き』に出演する高校生たち、さらには視聴者自身が楽曲に思いを重ね合わせる。だからこそ、『今日好き』楽曲は多くのリスナーの胸を打つのだ。

























