三代目JSB「R.Y.U.S.E.I.」、桐谷健太「海の声」……MVで再確認する桁違いのヒット曲たち
三代目 J SOUL BROTHERS from EXILE TRIBE「R.Y.U.S.E.I.」
『第56回日本レコード大賞』をはじめ、『2015年MPA賞 ヒットソング賞』、『JASRAC賞 金賞』受賞と、名だたる音楽賞を総なめにし、現在でも同グループの代名詞的楽曲となっている。メンバーそれぞれのイメージに合わせて場面が転換する構成も見どころだが、再生回数増加の決め手となったのは、何と言っても間奏に披露される「ランニングマン」だろう。振付を担当したのはメンバーのELLY。ランニングマンの動きを取り入れたキャッチーなダンスは、子供から大人まで真似る人が続出。動きを完コピするために何度も見返したという人も多かったのではないだろうか。
DA PUMP「U.S.A.」
耳にしない日はなかったほど、所構わず流れ続けた2018年を代表する1曲。タイトルの「U.S.A.」やサビの〈C’mon, baby アメリカ〉がネオンのように表示される映像が“ダサかっこいい”と話題になり、曲のヒットにも繋がった。アメリカで流行した「シュートダンス」を元にしたと言われる「いいねダンス」や、間奏での「インベーダーダンス」が、前述の「R.Y.U.S.E.I.」同様、幅広い層に浸透。懐かしのユーロビート調のトラックも、80年代リバイバルに沸いた当時の世相にマッチしたと言える。
PIKOTARO(ピコ太郎)「PPAP」
古坂大魔王がプロデュースした謎の千葉県出身シンガーソングライター・ピコ太郎がYouTube上に発表した動画作品。ジャスティン・ビーバーらがTwitterで「お気に入り」とツイートしたことから世界中で話題となり、BBCやCNNも取り上げる騒ぎに。日本ではその後、逆輸入的にヒットした。シュールな歌詞とヒョウ柄のチンピラスタイルに身を包んだピコ太郎のビジュアル、サウンドの間抜けな響きにハマる人が続出し、いわゆる「やってみた」系の動画も数多く製作されるなど、大ブームを巻き起こした。
どの楽曲にも通じるのは、何度も繰り返し見たいと思わせる中毒性があること。また、海外でも通じる普遍性を獲得したことだろう。“1億回”という数字にはそれほどの説得力がある。ジャンルや視聴方法が細分化されたことで、かつてのようなヒット曲は生まれにくくなっていると言われる中、インターネット動画が確実に新時代の音楽チャンネルとして機能していることが改めて感じられるラインナップだ。『THE MUSIC DAY』では各アーティストが誇る1曲を提げてステージに登場する。この日ならではのスペシャルなステージにも期待したい。
■渡部あきこ
編集者/フリーライター。映画、アニメ、漫画、ゲーム、音楽などカルチャー全般から旅、日本酒、伝統文化まで幅広く執筆。福島県在住。